「ねこ踏んじゃった」恐怖症

バイエルを買ったは良いけど、ピアノが無いので何ともしようが無い。楽譜ばかり眺めていても「あー弾きたいー」とフラストレーションがたまるばかりである。
「バイエル教則本」のおまけとしてついていた鍵盤が印刷されている「紙鍵盤」でパタパタ練習なんて何ともいただけない。ピアノへの情熱はあるけど家が貧乏でピアノを買って貰えないかわいそうな子供みたいな事は、流石にこの歳になってやってられんやろう。
良い大人が紙鍵盤でバイエルの練習をする図ってのは端から見てる分には笑えるけど、それが自分になるのはごめんである。
っということで、色々ネットで調べた挙句、機器選定はほぼ終了した。
とはいっても、いくらネット上の情報を集めても実際に弾いて見ないと良くわからん。と言う事で電気屋さんに繰り出した。


ネットでは色々書いてあったけど、鍵盤のタッチの差なんて私にはほとんどわからん。
いや、正確に言うと、違いはわかるけど、どちらがより本物のピアノに近いのかが全く理解できん。大体本物のピアノを弾いた事自体があまり無いのである。
ばねを使わずハンマーでアクションさせているとか、グランドピアノのように高音になるほどタッチが軽くなるとかいわれてもへーっという感じ。
同じメーカでのグレード差による音の違いってのはつまるところアンプとスピーカー部分の話じゃね?ヘッドホンしたらかわらんし、アンプに入れたら同じやん。
つーか十万円クラス程度の電子ピアノなんかもうどれ弾いても大した違いなんか無いんじゃないかと思うようになって来た。
電気屋さんの電子ピアノコーナーにはちびっ子ばかりがいて、皆狂ったように「ねこ踏んじゃった」ばかり演奏しており激しく腹立たしい。
その中に一人、やたらと攻撃的に演奏する幼女がいて、それは「ねこ踏んじゃった」というよりは「ねこ踏んじゃおう!」じゃないのか?とか思っていた。
無秩序に鍵盤を叩きまくる幼女の群れに「えーいお前らやかましいー!お前ら全員ネコのかわりに踏み潰してやろうか!」と心の中で毒づきながらも、幼女たちに混ざって、難しい顔して真剣に一台ずつピアノを弾いているオッサンの姿はさぞかし気持ち悪かったであろう。
ちゃんと椅子に座って適当にゴルドベルグ変奏曲のアリアを耳コピで弾いていたら、隣にちびっ子が座ってまた「ねこ踏んじゃった」弾き始めた。もう良い加減にしてくれよ。と思いつつも、幼女としばらく連奏していた。
はたから見れば、幼女達に混じってねこ踏んじゃったに伴奏をつけるオッサンて激しく危ないのではなかろうか。
しかし、ピアノを練習する事を思いついたら、「とりあえずベーゼンドルファーのグランドでも一台買うかー」というような身分になりてーなーと思った。

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