映画:アレハンドロ・ホドロフスキー 「ホーリー・マウンテン」 / 悪ノリバカ映画

amazon ASIN-B00009CHBX先日観てとても面白かった「エル・トポ」を撮ったアレハンドロ・ホドロフスキーの監督作である「ホーリー・マウンテン」(1975/メキシコ)を観た。
この映画は「エル・トポ」の大ヒットにより脚光を浴びたホドロフスキーが、製作会社やら配給元やら(自分自身からも?)から大量の予算を得て製作されたらしい。
低予算映画の「エル・トポ」から一転して大量の予算を作って映画を撮るようになったけど、それでも基本的に「エル・トポ」とやってることは同じであるような気がする。
主人公達が目指すところは、悟りや解脱や生死の彼岸であるし、なんか良くわからん映像も相変わらずである。
低予算でアイデア勝負だったものに、大量の予算を投入して作られた映像は、エグさとか訳のわからなさがより増しているように見える。


この映画は全体的に「何じゃそのオチは?」という場面が多かった。
一つ一つのエピソードに一応のオチはあるのやけど、そのどれもが訳がわからない。
私が気に入ったのは、大量の着飾った本物のトカゲをアステカ調の舞台に配置し、スペイン風に武装させたカエルに攻めさせる、「メキシコ侵略の歴史劇」であった。
この劇のオチも某氏のフラッシュアニメを髣髴とさせるような「爆発」という無茶苦茶で中々笑えるものであったし、何よりもこの映画のオチ自体が「えぇ~っ?」という感じであった。
ネットでこの映画を「悪ノリ」と評している人がいたけど、なるほどこれはとんでもない悪ノリやなぁと思った。予算が多いだけにたちが悪い。
そして悪ノリというのは往々にしてやりすぎてしまうものでもある。もちろん、端から見る分には、やり過ぎでないくらいと、悪ノリは面白くないのやけど。
こういう映画を真面目に観てしまうと、感受性の見えない部分になにか決定的な損傷が加わってしまうような気がするけど、出てくる良くわからん悪ノリ映像を見ながら「あっはっはーアホやなぁー」と笑える人には刺激的であろう。
意味なんかたぶんもともと無いねんから、考えてもしんどいだけなので、予算を大量に使った悪ノリバカ映画として観ておくと中々楽しめるような気がする。

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