映画 : ポイント45 / ビッチなミラ・ジョヴォヴィッチ / ビッチの痛々しさ啓蒙映画

amazon ASIN-B000RN3O0Sミラ・ジョヴォヴィッチつながりということで、「ポイント45」(2006/米)を観た。
バイオハザードを観たあとに色々とネットをさまよっているうちに面白いという評判があったので、んじゃみて観るかということで借りてきた。
スラム街で銃の密売で暮らしている激情型の男の情婦が彼の暴力に愛想を尽かし、最大限に女の武器を利用して彼の呪縛から抜け出す。というお話。
なんとなく「パルプ・フィクション」的な雰囲気を期待していたのだが特にそういった風もなく、個々の強烈なシーンの間にストーリーがあるといった感じである。
観る前は「彼の呪縛から抜け出す」というところをなぜか、訳のわからん生活から抜け出して社会的に成功する。と勘違いしていたのだが、本当に「彼の呪縛から抜け出す」ところまでしか描かれておらず、そのスケールの小ささにカタルシスも何もなかった。
ドメスティックバイオレンスから逃げ出すために、性的な魅力をのみ利用してほかの複数の人間を虜にする。って手段が、後々本当に本人のためになるのかどうかというのが、私としては激しく疑問であった。


しかし逆に、「私は女の武器で世間を渡るわよ♪」となどと恥ずかしげもなく堂々と言ってしまうような真正ビッチの痛々しさを白日の下にさらけ出すことで、そういった志を抱く少女を真っ当な道に引き戻し、そういったビッチに釣られる男どもの肩を叩くような、ある意味での啓蒙的な映画だとすれば良い出来なのかもしれない。
自分がビッチだからといって人を利用して良いというわけではないし、相手がビッチだからといって人を利用して良い訳でもないのだ。当たり前の話である。
ミラ・ジョヴォヴィッチが「hip lip tip」が武器よとのたまう正真正銘の「ビッチ」を演じていて、脚本も演出もイマイチながら、それでも頑張って演技する彼女に好感を持たざるを得ない。
物語の前半でミラ・ジョヴォヴィッチが情夫を蹴るシーンがあるのだが、その体重のまったく乗らない蹴りの不細工なこと不細工なこと。バイオハザードで人間の域を超えた人と同じ人物とは思えない。
ミラ・ジョヴォヴィッチって人は人気の割にはあまりいい役に恵まれないなぁと思った。
何でもいいからミラ・ジョヴォヴィッチ見たくてしょうがない、ビッチが見たくて見たくてしょうがない、という人にはお勧めかもしれない。

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