映画:「スパイダーマン」/ 第2.5次性徴 / 蜘蛛男的教養小説

amazon ASIN-B0009J8ESC先日「ダークナイト」を観てからアメコミ原作映画って面白いやんということで、「スパイダーマンシリーズ」の三つを見た。
ということでまず「 スパイダーマン」(2002/米)の感想から。
一応「スパイダーマン」なるヒーロー物なので、それらしいヒーローな映画だと思っていたのやけど、メインストリームにいないオタ系理系青年の青春ラブコメ物語がどこまでも続いていて、「主人公がうじうじ」と聞いていたがここまでとはちょっとびっくりした。
青春物語の要素の入ったヒーローものというよりは、ヒーロー物要素の入ったアメリカンな青春物語と言ったほうが妥当かもしれない。
なんというか、ビッチ臭のするキルスティン・ダンストも妙にリアルでアメリカンな青春物語にぴったりであった。
確かに彼女は、遠くから見てあこがれるのではなく、ずっと隣に住んでいてずっと好きだったってタイプやなぁ。


ということで、「ヒーロー物要素の入った青春物語」としてみてゆくと、これは典型的な教養小説的な主人公の成長物語でもあるように見えてくる。
白い糸を出すスパイダーマンは性的な象徴だ!というネットの感想を見てちょっと感心したのだが、たしかに、スーパースパイダーに噛まれる事によって遺伝子的変異を起こしてスパイダーマンへと成長するあり方は、思春期に第二次性徴によって自我の確立に悩む青年のようであった。
そして、敵対勢力との抗争や町や地球の防衛についてよりも、個人的な悩みの方がはるかに重いとする、非ヒーロー的な「スパイダーマンであることの悩み」はシリーズを通しての一番のメインテーマとなってゆくわけである。

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