地味な水槽 / 哀愁ガエル

まだまだ引っ張る鳥羽水族館の話である。
水族館といえば巨大水槽や巨大魚、オットセイやアザラシなどの海獣、イルカやスナメリなどのあたりが人気者で人も多い。
ラッコやイロワケイルカの水槽の人だかりの凄さはその人気を物語っている。
しかし、誰もが一瞥をくれるだけで足も止めずに通り過ぎるような、地味でぱっとしない水槽を愛でる事こそ通といえるだろう。
たとえば「日本の川」なるコーナーの淡水魚たちがそうである。
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最近ガサガサに再び目覚めた事もあり、このホトケドジョウとスジシマドジョウの可愛さがツボに直撃である。うは!もうたまらん。
しかし、ドジョウといえば柳川鍋である。ゴボウと一緒に煮て卵でとじるなんてなんと野蛮な(美味しそうやけど)!!こんな可愛いものを食べるなんてなんと野蛮な(美味しそうやけど)!!
と「イルカは可愛いから」という理由だけでイルカを食べる人を批判する団体の気持ちがほんのちょっとだけ分ったような気がする。


しかし、聞いただけで地味そうな「日本の川」よりも更に地味なのが「森の水辺」ゾーンのカエルコーナーである。
温室内にいるでかいワニガメだのミズヘビに引き換え、屋内の薄暗い片隅でじっとしているカエルたちはこの水族館で一番地味なのではないだろうか。
水族館にいる殆どの生き物が程度の差はあれ常に動いているのに引き換え、このカエルたちは殆ど全く動かない。
動かざる事日曜のお父さんの如しである。
動かずに景色に溶け込んでいるカエルを眺めるのは、水族館で生き物を見ているというよりは、博物館で置物を見ているようでもある。
この哀愁漂うカエルの背中はどうだろう?
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なんだかため息が聞こえてきそうである。
「苦悩」とタイトルをつければぴったりではないだろうか?

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