急斜面

前日、追い詰められるところまで追い詰められて、逃げ道さえないような悲惨としかいえない状態になったように見えたものの、次の日来てみると前線はかなり回復していた。
ワーカーホリックIT戦士たちの「時間までには何とかしてしまう」心意気と戦闘力に心底恐れ入ったし、ちょっとした感動すら覚えた。
彼らの戦いを前線の遥か後ろから眺め、ちょっとした残党処理だけをしたくらいだけど、とても勉強になったしとても考えさせられた。
そう、「等しく価値がない」と「等しく価値がある」は同じ事実を指しているのだ。
家に帰ってゆっくりと本を読む。
等しく価値のない世界で、等しく価値のある世界でもある中の、唯一の至福の瞬間である。
本を読みながら、揺れ動く心を感じながら、自分を自分でない何物かに明け渡す離脱感に身をゆだねる。
等しく価値がない生活であるが、等しく価値がある生活でもある。こんな日がいつまで続くのだろうか。
しかし、本当にこれと同じ生活が永遠に繰り返されるとしたら喜んで受け入れよう。よしもう一度。
遥か遠く、遥か彼方の高みに向かって書こうと思った。

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