結婚式

友人の結婚式に昼前から繰り出し、新郎でもある友人の「全く変わっていないのに全く変わっている」という不思議な大技を目の当たりにしてかなり驚く。
その他にも、「どうやったらそんな事が出来るのだ!!」と驚くしかない事が次々と起こっている様を目撃してただただ驚くばかりである。それでも良く考えれば私達だって自分以外の人間から見れば「全く変わっていないのに全く変わっている」であろう。久しぶりに会ったはずなのに全く久しぶりに思えないのは不思議と言えば不思議である。
官能的なものに生の消尽としての死を垣間見たのはバタイユであったろうか。最大の逆説、最大の理不尽として人間存在を見ていたのもまたバタイユであったろうか。
披露宴で美味しい料理を食べ、美味しい酒を飲み、新郎新婦の晴姿を眺め、「全く変わっていないのに全く変わっている」古い友人達と円卓を囲んでバカ笑いしていると、深く深く限りなくリアルに死が意識される。
carpe diem et memento mori そして日常に帰ろう。
ニーチェさんは「深淵を覗き込むとき、 深淵もまたお前を見つめている」と言った。
彼の考え方から言うと、深遠に見つめられないようにするためには、深淵を覗き込まないのが一番良い。しかしながら深淵となれば覗き込まずにはいられない人種もまたいるのは確かだろう。
そして私は深淵とならば思わす石を投げ込んでみたくなるタイプであろう。もちろん投げ込むだけやけど。

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