ヴィットリオ・デ・シーカ 「自転車泥棒」 (1948/伊)

amazon ASIN-B000068RHJ先々週の土曜日に見た「自転車泥棒」、殆ど「自転車」と言う単語だけに反応して観た映画で、1948年公開ととても古い。
息子と嫁を抱えた男が、やっと手に入れたポスター張りの職の為にシーツを質入した金で自転車を買い戻すも、仕事中に自転車を盗まれる。彼は息子と共にローマ中を盗まれた自転車を探してまわる。という感じの筋書き。
イタリアン・ネオ・リアリズモと呼ばれる作品群の代表作品であるらしく、主人公の男が息子と嫁に当り散らし、口だけは強気で無実の人や怪しいと言うだけの人に嫌疑を吹っかける様は観ていて感じが悪かった。そんな彼はとことんまで堕ちてしまうわけやけど、確かに彼のダメ男っぷりは痛々しいほどにリアルであり、戦争に負けて大恐慌がおこり、仕事を失った大人たちが街に溢れかえってぶらぶらしている「毎日がローマの休日(悪い意味で)」状態も妙にリアルだった。
それもそのはず、大好況の町並みは実際のロケで、職を失った男は実際の失業者の素人俳優を起用したと言う事らしい。


主人公たちは盗まれた自転車が部品単位にして売られていないかを探すために市内の市をうろつくのやけど、さすが自転車の国イタリアらしく、ホイールだけ、タイヤだけ、ダイナモだけ、サドルだけ、フレームだけなどと、露天でパーツ単位で自転車用品が商われているのに心躍らせる。ひゃー俺も行きたいー。
いずれにせよ、自転車泥棒に対しては異常なまでの怒りを覚える自転車馬鹿たる土偶であった。
そういえば今日、殆ど一年ぶりくらいに疎遠になっていた友人とばったり出会った。また別の友人が縄を張ってくれていたおかげでちゃんと彼と話す事が出来たし、彼は気にしていそぶりを見せてくれたながらもちゃんと詫びる事も出来た。
二人の間に綱を渡してくれた友人よありがとう。綱を離さなかった彼にもありがとう。
またラーメンに行ったり自転車に乗ったりしたいものだ。

1件のコメント

  • やられた・・・

    久々に映画みたよ♪ 「グロリア」と「自転車泥棒」 どちらも古い作品で、観たことが無かったので楽しみにしていたけれども・・・ 「グロリア」は最…

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