ベートヴェンの「嘆きの歌」はチープであることに意味がある。 日記/雑記/妄談

ベートヴェンの「嘆きの歌」はチープであることに意味がある。

先日手足口病になってとても苦しかったと言う話を書いたけど、やっと回復して普通の状態に戻ったなと思ったら気管支炎になった。 寝転ぶと痰が詰まって息が出来ないので寝ることが出来ず、辛いのに寝ることが出来ないというかなりきつい状況。 そして少しでも動くと呼吸量が増えて息苦しくてたまらないので、座ってゆっくり息をしている以外に何も出来なかった。 もう殆ど強いられた座禅みたいなものである。 二日目になってち[…]
中田考 イスラーム書籍2冊/真の意味でのイスラーム原理主義者の声を聞け

中田考 イスラーム書籍2冊/真の意味でのイスラーム原理主義者の声を聞け

以前からイスラーム学の第一人者として有名だったけど、最近イスラム国に渡ろうとした日本人学生の仲介役として一気に有名になった感のある中田考氏のイスラーム関係書籍を2冊読んだ。 『イスラームのロジック―アッラーフから原理主義まで 』(講談社選書メチエ) 『一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教』 (集英社新書)である。 SISBN-10: 4062582295 SASIN: B00NPK89Z[…]
R.D.レイン『子どもとの会話』と西原理恵子『毎日かあさん』

R.D.レイン『子どもとの会話』と西原理恵子『毎日かあさん』

偶然古本屋で見つけたR.D.レインの『子どもとの会話』を読んだ。 今まで、精神科医であるR.D.レインの著作は『引き裂かれた自己』と『好き?好き?大好き?』しか読んだことがなかったのだが、 『引き裂かれた自己』は当時「分裂病」とされていた人を「異常」としてその異常の部分を見ようとするのではなく、分裂している状態でしか成り立ち得ない脆くて不安定な自己に寄り添うように理解しようとする試みであった。 彼[…]
ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン -悪の陳腐さについての報告-』/アウトサイダーであり続ける事

ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン -悪の陳腐さについての報告-』/アウトサイダーであり続ける事

前のエントリで、ハンナ・アーレントこそ世界と人が「Let it go」であることを許さず、自身は「ありのまま」であろうとした人であると書いた。 しかし、アイヒマンに限らず、ニュルンベルクでの法廷でもナチスの戦犯は決まって、自分には組織の命令に反することはできず、本当はそんな事はしたくなかったのに組織に従わざるを得なかったと、判を押したように弁明した。 個人でしかない軍属である自分は軍隊の中にあって[…]
ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン -悪の陳腐さについての報告-』/ハンナ・アーレントは世界を救ったか

ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン -悪の陳腐さについての報告-』/ハンナ・アーレントは世界を救ったか

ずっと前から読みたかったハンナ・アーレントの『イェルサレムのアイヒマン -悪の陳腐さについての報告-』をやっと読むことが出来た。 SISBN-10: 4622020092 この本は、ナチス親衛隊の中佐として何百万人ものユダヤ人を強制収容所に送り込むにあたって最も大きな働きをしたとされるアドルフ・アイヒマンが、終戦後に身分を隠して落ち延びていたアルゼンチンでニュルンベルグ裁判よりずっと後の1960年[…]
佐々木中『切りとれ、あの祈る手を  -〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』/ラーメンはアレやし蕎麦にしとくわー革命

佐々木中『切りとれ、あの祈る手を -〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』/ラーメンはアレやし蕎麦にしとくわー革命

『切りとれ、あの祈る手を 〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』を読んだ。 SISBN-10: 4309245293 著者は1973年生まれの哲学者、佐々木中氏であるが、 以前読んだ『思想としての3・11 』に載っていた彼の文章に心を動かされて彼のほかの文章を読んでみたくなったのだった。 色々調べてみた結果、最初は彼の処女作である『夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』を読もうと思ったのだが、[…]
高橋祥友『群発自殺―流行を防ぎ、模倣を止める』/林公一『擬態うつ病』/情報化した文学は恐ろしい。

高橋祥友『群発自殺―流行を防ぎ、模倣を止める』/林公一『擬態うつ病』/情報化した文学は恐ろしい。

最近読んだ新書の中に、高橋祥友『群発自殺―流行を防ぎ、模倣を止める』と林公一『擬態うつ病』なるものがある。 SISBN-10: 412101426X SISBN-10: 4796625178 そもそももこの2冊を読もうと思ったのは、『群発自殺』が『若きウェルテルの悩み』の創作時期あたりのゲーテの人生をテーマにした、何気に面白かった映画「ゲーテの恋」を見て、18世紀の発表当時に『若きウェルテルの悩み[…]
『グイン・サーガ』の新刊『パロの暗黒 』を読む/「物語」の怖さについて

『グイン・サーガ』の新刊『パロの暗黒 』を読む/「物語」の怖さについて

著者が死去することで130巻で途絶えてしまっていた長大なシリーズである『グイン・サーガ』が最近別の著者によって再開された。 『グイン・サーガ』は当時はそんな区分けすらなかったけど、今風のジャンルで言えば「ヒロイックファンタジー+ライトノベル」というところで、まだ私が高校に入る前にはじめて読んでから、読む本の趣味やら傾向が全く変わってしまっても新刊が出るたびに買ってずっと読み続けていた。 この『グイ[…]
松本仁一『カラシニコフ』『カラシニコフⅡ』/カラシニコフは失敗国家でいかに利用されるか 日記/雑記/妄談

松本仁一『カラシニコフ』『カラシニコフⅡ』/カラシニコフは失敗国家でいかに利用されるか

昨日ミハイル・カラシニコフ氏の死去をきっかけに「カラシニコフ」関係の本を数冊読んで、その中から「カラシニコフ氏」本人に関する本の一冊についてい書いたけど、今日は人としての「カラシニコフ」ではなく、銃としての「カラシニコフ」をテーマにした本について書く。 朝日新聞で連載されていた「カラシニコフ」を単行本化した、この松本仁一『カラシニコフ』『カラシニコフⅡ』の2冊である。 SISBN-10: 4022[…]
ミハイル・カラシニコフとソ連/カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男

ミハイル・カラシニコフとソ連/カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男

この年末年始で色々な方が亡くなったけど、結構ビックリした割りに世間的には殆ど注目されていない人の一人に、史上もっとも大量に製造され拡散している小銃である「AK-47」の設計者である「ミハイル・カラシニコフ」氏がいる。   彼が設計し、彼の名が冠せられたAK-47(Avtomat Kalashnikova-47 、47年式カラシニコフ突撃銃)は第二次大戦での対ドイツの自動小銃として着想され[…]
PAGE TOP