ムギツク兄妹/たくらんをたくらんだ

先日大雨の降った後の休みの日の朝、早起きして近所の川にガサガサに行って来た。
大雨の降った後は魚が岸際に避難してきているせいか、今まで経験的に大雨の後は魚が良く捕れたような気がする。
大きな声では言えないが、私はこの川で始めて「シマドジョウ」とレッドデータブック常連の「スナヤツメ」を見た。
この川にもこんなニョロニョロなお二方が密かに生息してるんやととても感動した。
このお二方は捕って直ぐ網から直接川に帰ってもらったので写真はなし。
私はずっと以前から、ほかの魚やエビを襲わず、喧嘩もせず平和主義者で、水草も食い荒らさない上に、余り大きくならない、その上にお洒落さんな「ムギツク」なる魚が欲しかったのだが、
今回、とうとうその「ムギツク」を二匹捕獲した。
%40%40-mugitsuku01.jpg
しかも体長4センチと6センチの小さな固体でもっとも飼いごろのサイズである。
この二匹は家に持ち帰ってシマドジョウ&ミナミヌマエビ&クロメダカという平和主義者ばかりが棲むユートピア水槽に入れた。
V2ロケットのようないかにも早そうなシルエットと、体の中心をきっちり口先まで通る黒いラインがとってもお洒落である。


小さいほうのムギツクは直ぐに水槽に慣れてメダカの群れに混じって泳ぎ回って餌も食べていて驚いた。
いくらメダカサイズとはいえ、メダカの群れに混ざるとは変にムギツクのプライドを持っていないところが好感度大である。
まるで、可愛くてお洒落なクラス1のモテモテ女子でありながらもオタク的クラスメイトの輪に入っても楽しく遊んでしまうような、誰からも好かれる何の非の打ちどころも無い女子のようである。
なかなかにコミュニケーション能力が高くていかにも高スペックリア充のような小ムギツクに引き換え、大きい方のムギツクは竹炭ハウスに潜り込んだまま殆ど出てこない。
%40%40-mugitsuku002.jpg
ムギツクは臆病ということもあるだろうが、大ムギツクは自分の引きこもっている竹炭ハウスに何かの拍子にシマドジョウやエビが飛び込んでくるだけでとても驚いて慌てふためくくらいである。
普段小ムギツクはメダカの群れに混ざっているのだが、やっぱり本当はメダカよりもムギツク同士で群れを作りたいのだろう。何かの拍子に大ムギツクが竹炭ハウスから出てくると、小ムギツクはメダカの群れを離脱して嬉しそうにその大ムギツクの後を付いて回るのが妙に和む。
大ムギツクも後になって先になって泳ぐ小ムギツクが満更でもないらしく、近くに小ムギツクがいてると落ち着いているように見えるし、小ムギツクが見えると竹炭ハウスからも出てくる。
%40%40-mugitsuku003.jpg
その様は「ひきこもりの兄」と「活発な妹」のようで見ていて可笑しい。なんというかどこぞのアニメにありそうな設定ですな。
ムギツク(兄)はムギツク(妹)と一緒に水槽内を探検することで徐々にこの水槽に馴染んできたようである。
最近はそのムギツク(兄)も活発なムギツク(妹)に感化されたせいか、良く外出してムギツク(妹)やメダカをそのデカイ体を生かして押しのけて活発に餌を食べるようになって何より。
ムギツク(兄)はやれば出来る子やったんですな。
なんというか、やっぱりひとりで思いつめるとロクなことは無いなという話でした。
%40%40-mugitsuku004.jpg
そして、そのムギツク兄妹は妙に息のあったシンクロした編隊飛行のような動きを見せてくれるのであった。
%40%40-mugitsuku005.jpg%40%40-mugitsuku006.jpg
さらにムギツクについて調べていると、このムギツクは「託卵」を行う珍しい淡水魚らしいことが分かった。
ムギツクは集団でドンコやオヤニラミなどの自分の卵を守る魚食系魚の巣を見つけると、そこ突入してその卵を食い荒らした後、そこに自分の卵を生みつけて一目散に退散する。
ドンコやオヤニラミはまさか人の子とは思わずにそのムギツクの卵を育てると…
なんとも恐ろしいような可笑しいような羨ましいような話ですな…
「託卵」は鳥などでは有名やけど、魚の場合はとても珍しい事例であるらしい。
ただ、このムギツク先生は子孫を残す手段が託卵だけなのではなく、殆どの場合はちゃんと石の下とかに卵を産むらしい。なんか隙があると託卵するってのが妙にリアルに感じる。
ムギツクは隙があれば託卵を企んでる訳ですな。
うむ、たくらんをたくらんでると…
ってオチがオヤジギャグになってしまった…

2件のコメント

  • スナヤツメは前に一度全く別の水系の水路で捕まえたことがあって今回で二度目です。
    どちらも10センチほどのアンモシーテス幼生で、なんか質感が魚とは思えない硬くてテカテカした感じでした。
    網の中でもプラケースの中でもパニックになったように泳ぎまわるので飼いにくそうな印象がありますが、幼生時代はデトリタス食ということなので、飼ってみるのもありかも知れませんねぇ。古代魚的なロマンもありますし。
    いやしかしアユモドキ凄いですね。てシーラカンスと同じくらい超絶的です。
    一度見てみたいですがなかなか難しそうです。
    オヤニラもは捕まえたこと無いです。こちらも一度は捕獲してみたいです。

  • ムギツクもすごいが、スナヤツメは超絶的だな。一度見てみたいもんです。ちなみに、ぼくはアユモドキを捕まえたことがある。オヤニヤミって捕まえたことある?

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP