初海2014/ナマコと戯れる初夏

先日、今年初の海に行ってきた。
六月になったばかりなのに気温は余裕で35度オーバーし、地上はこのように夏真っ盛り。

しかし海水はやたらと冷たかった。泳いでいるとラッシュガード一枚では水中で震えてきて、なんかもう耳が紫になるレベル。

以前6月半ば過ぎに産卵期のカミナリイカを捕獲したので、あわよくば今回もと大いに期待したのだが、流石に6月1日は早すぎた…
イカも全くいないし、夏恒例のキジハタもおらず、メバルとカサゴしかおらん上に水中はやたらと寒いので集中力が続かない。
とりあえずホバリング中のメバルと岩に乗っていたカサゴを適当に捕獲したものの魚影も薄いし早くも魚突きは諦めモード。
ところが、海水が冷たいせいか、水深5mほどの沈み根の沖側の砂地が見渡す限りのナマコに埋め尽くされていてびっくりした。

うん。こんな感じのイメージだな。

今までナマコを見ることはあっても、もう海のオブジェみたいなものだとみなしていたので、あえて捕獲しようという気にならなかったけど、この日は余りに漁獲が少ないのでとりあえず一番大きそうなものを二つ拾ってみた。

魚突きの人は手に持つのはヤスや銛のみで、水中で岩や藻に引っかからずに動けるように、いざとなればヤスや銛を捨てて両手をフリーにすることが出来るように、さらには貝取りに間違えられないように、獲物を入れる網を持たずに海に入る。
採った魚は網に入れておくのではなく、腰につけたメグシと呼ばれる道具に鰓蓋から口に紐を通して腰にぶら下げておくのだが、構造上このメグシにナマコをぶら下げることが出来ない。
二匹のナマコを拾ったものの、両手にナマコを握り締めたまま魚突きをするわけにもいかず、一瞬躊躇したが「ええ~い」と海パンとラッシュガードの間に突っ込んでおいた。

生まれて始めて感じる「海パンを通して伝わってくる生きたナマコの感触」はえもいわれぬものだ…微妙にもぞもぞ動いているような、いないような…ぐぬぬ…
しかし「そうか、私の下半身にはナマコが収納されているのか。直接的な意味で。」と考えるとだんだん可笑しくなってきた。
腰にメバルとカサゴをぶら下げ、海パンにナマコを突っ込んで収納し、寒さと堪えた笑いでプルプル震えながら泳ぐ私の姿はきっとナマコ以上に不気味な生物に見えたに違いない。

夏目漱石は『吾輩は猫である』の中で

始めて海鼠を食い出せる人は其胆力に於て敬すべく、

と書いていたけど、
初めてナマコを海パンに突っ込んだ私も其胆力に於て自分で自分を誉めてあげたいくらいだぞ。

で捕獲したメバルとカサゴ、そしてマナマコ二匹がこれ。

砂場にいた上の2匹ナマコは比較的青かったけど、下は岩礁地帯で捕獲した別のナマコ。うむ。立派に真っ赤な赤ナマコだ。

このように手のりナマコとしてツンツンしたりよしよししたりしていると、突然体内の海水を吹き出した。
ナマコ汁ブシャー!あー赤ナマコが怒ってるー!!

散々捕獲したナマコをもてあそんだけど、ちゃんと後で美味しくいただこう。

いやしかし、海水で茹でて海で食べるスパゲティーは最高だー

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