春の陽気で楽しい仲間がポポポポ~ン♪
皆様お久しぶりです。すっかり春ですね。
春といえば「うつ」の季節ですが私は元気に生き抜いております。皆様お元気でいらっしゃいますか?
そして更に、二年ほど前から私にとって春は大好物のトガリアミガサタケの季節にもなりました。
そういうわけで私はこの季節、雨が降るごとに繰り出してこのキノコを狩りまくっております。
このアミガサタケなるキノコは腐った木とかに生える腐生菌じゃないので栽培できず、春の特定の時期の特定の場所にしか生えないせいか、フランス料理では超高級キノコとして扱われているのです。
去年は雨が少なかったせいかあまり採れなかったけど、今年は雨が多いせいか雨ごとにそこらじゅうで大量発生!大漁やー!こりゃたまらん!
余りにも大量なので「キノコナイフ」では採取が追いつかず「はさみ」を利用するくらいの勢いです。
皆もキノコハンティングするときは、ちゃんと「根」のような「菌核」みたいなのを守るために根こそぎ抜くんじゃなくって、ナイフやはさみで地上部だけをスパッと刈り取るのですぞ。
で、基本的にこのアミガサタケはクリームやらチーズやらのこってり系の煮込みに向いているとされているけど、はっきり言ってそんな面倒くさい料理ばかりしていられないし、そもそもそんなこってり料理ばかり食べいてたら太ってしまう!
なんとかシンプルに食べる方法はないかと色々調べてみたのですが、高級きのことして扱われているせいか、ネットでは妙に手の込んだこってり系料理が多く、あまりあっさりしていたり無茶な料理方法を見かけず全然参考にならない。
あっさりがなければ作ればいいじゃない。という事で、色々な料理に適当にチャレンジしてみました。
料理法としては一度乾燥させてから水でもどして調理することが多いようですが、今回は乾燥するまで我慢できないという事もあり、食べられない分だけは保存用に乾燥させることにして、採ってきたばかりのものを半分に割って虫出しして、水洗いしただけですぐに使いました。
とはいえこのキノコにはロケット燃料でもあるヒドラジンを微量に含むらしいため、生で食べると中毒するので、全て一度ゆでこぼしております。
まずは基本的なクリームソース系の煮込み。そしてトマトソース系でも煮込んでみた。
うむ、ふつーにおいしい。
そして次は炒め物系、菜の花と銀杏と鶏ミンチと一緒にオリーブオイルと白ワインでさっぱり炒めたもの
菜の花+銀杏+アミガサタケの春秋の組み合わせはなかなかよろしい。銀杏の下に生える系のトガリもあることであるからして、いろいろな意味で愛称ばっちし。
「鶏ミンチ」は「ちくわ」や「豚バラ」とかいろいろやってみたけど、鶏ミンチがアミガサのアミアミに程よく絡んで一番よいかも。
次は焼肉にゆでこぼしトガリアミガサを投入。バラ肉をかぶせて鉄板で焼き、一体化したものに各種野菜をのせてタレなり醤油で食べる。
バラ肉の脂がトガリに染込んですばらしいハーモニーでした!
そしてなんとなくキムチと和えてみた。
ちょっとグロテスクな見た目と裏腹にこれは中々美味しかった。
このトガリアミガサタケってのは味や触感はキノコというよりなんかモツのようで、このキノコを入れた料理はコイツ自体から出る出汁のせいか、ふつーに炒めただけなのに妙に出汁の効いた味になる。
しかし、採れたてのモリーユを極々シンプルに食べるとは何と贅沢なことだろう。
そういえば、海で採った完璧に血抜きした活け締めキジハタを塩焼きにしたり、蛸肝ガザミスパゲティーを作ったりと、自然と親しむことは都市生活では決して味わえない贅沢を味わうことが出来るのだ。
こんな風に森にひっそりたたずんでいる様を見るとなんとも心が弾むではないか!
見る限り同じ「トガリアミガサタケ」とされるものの中にもトガり度合いやら色合いやら何やらで明らかに違う種のように見える色々なタイプがある。
以前にきのこ道に入門してからと言うもの、嫌でしょうがなかった雨が楽しみになった(雨後はキノコがよく生えるからね)とことを書いた。
同様に、昔から私にとってうつの季節であった春だけど、うつ要素がうつ要素のままに、それでもこのアミガサタケのおかげでとても待ち遠しくて楽しい季節になったのであった。
きのこでこの先生きのこることができそうだ!いやーきのこって素晴らしい!