天空の城ヴァージン・スーサイズ・アット・ハンギングロック/まいっちんぐ・ローレンツ先生

先日から水槽の中にムギツク(妹)が見当たらず、「どこかに隠れているのか?」と思っていたのだが余り気にしていなかった。
今まで水槽の中でシマドジョウが見当たらなくなったけど、実は砂に潜っていたり流木や竹炭の下に巧妙に隠れていて見えなかっただけだったということが良くあったので、
ムギツク(妹)もどこかに隠れていてそのうち出てくるだろうと思っていたのだ。
土偶部屋では古い水屋箪笥を上下二分割して横に並べて本棚として使っており、その下部分の上に水槽を載せている。
その横には確定申告のためにレシートやら領収証やらをポンポン投げ込めるように小さい紙袋がぶら下げてあるのだが、
ふとその中を覗き込んでみて驚いた。
ムギツク(妹)が見るも無残な干からびた姿で発見されたのだ。(泣)
泳いでいる時の可愛らしさとは似ても似つかないものの、そのミイラ状に干からびてもくっきりな縦じまの美しさは健在である。
干からびていたのがカマツカのかっちゃんであれば「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで・・・」とでも言うところであるが、残念ながらこれはムギツクなので関係ない。
その硬く硬直して動かない姿は眠り姫のよう。というかむしろツタンカーメンである。
台風で折れたプチトマトの根本に丁重に埋葬しておいた。
そういえば、ここしばらくずっと水槽に蓋をしていなかった。
余りにも元気すぎるせいか、
はたまた自分の可能性を試したくなったのか。
ともかく何かに驚いたりした拍子に蓋のない水槽から飛び出してしまったのだろう。
なんかこう、「Virgin Suicides」といった趣である。

しかし、これを水槽の中からの視点で考えると「神隠し」と言いようがない気がする。
美しくも危ういうら若き少女がはしゃぎ過ぎて、
或いは何かに魅せられたように別の死の世界に飛び出してしまって
もう二度と戻らなくなる。
こうなると今度はもう「Picnic at Hanging Rock」の世界ですな。


ということで、独りになってしまったムギツク(兄)は、相手をしてくれる仲間も無く独り寂しく食べては引きこもる生活をおくっているので、新しいムギツク家族(群れ仲間)をガサガサして捕獲してきた。
前回のエントリーのスナヤツメとタウナギを捕獲した時に同じ場所で取れたのだが、なんとまぁ上手いこと欲しい時に欲しい魚が取れるものだと自分でも感心する。
s-DSCN1899.jpg
若い証拠のくっきり一本ラインは勿論、くりっとしたつぶらな瞳とほんのり赤い鰓蓋(大丈夫か?)がムギツク(妹)に勝るとも劣らない中々の美形である。って画像におもっきりカメラが写り込んでますな…
前のムギツク(妹)より少し小さいこのムギツク、つまりムギツク(妹<小>)はムギツク妹小ということになるだろうか。
なんかムギツクやのに無駄に立派な名前であるが、妹小やのに実は男でしかも遣隋使でした。
みたいなオチはたぶんありませんぞ。
その新しく水槽に来た「ムギツク妹小」であるが、今は亡きムギツク(妹)よりも落ち着いていて、メダカの群れに混ざることも無く単独行動をとり、基本的に物陰で静かにしていることが多い。
活発でいつもたくさんの友達と一緒に街で遊んでいたタイプのムギツク(妹)とは対照的に、
このムギツク妹小は、大人しく物静かで落ち着いていて、いつも図書館で本なんか読んでるタイプというところか?
このへんはムギツク(兄)に似ているような気もするが本来ムギツクの性質的がこんな感じなのだろう。
むしろムギツク(妹)が特殊であったと考えるべきか。
それでも魚でも個体レベルで性格のようなものがあるねんなぁとちょっと感心した。
このムギツク(兄)と妹小であるが、昼は一緒に行動することは余り無いけど、夜にこっそり懐中電灯で照らしてみると流木の下で仲良く向かい合わせになって寝ていて和んだ。
よく見ると砂からシマドジョウ(セツコ)が顔を出しているぞ。
s-mugituku2.jpg
この水槽の中では今までその構成員たちによって
メダカの学校がスクールウォーズ
タッチ!タッチ!カワニナとタニシとミナミヌマエビにタッチ!
シマドジョウ的火垂の墓
観測した時点で生死が判明するシュレディンガーのシジミ
殆どフルメンバーでお送りするデューン火垂の惑星タッチ
カマツカストリームアタックのぞみかなえたまえ
など馬鹿馬鹿しくも心躍る色々なストーリーが生み出されてきたが、
この三匹のムギツクたちもまた必然的に新たなストーリーを生むだろう。
なんとなれば、一時でも生きて誰かとと関わるということは、生命というストーリーの中に一本の糸として織り込まれることでもあるのだから。(キリッ
可愛くてキラキラしている誰からも人気のムギツク(妹)がある日突然神隠しにあった。
傷心のムギツク(兄)の元に、ムギツク(妹)とそっくりであるものの、性格は対照的な大人しくて物静かなムギツク妹小が空から降ってくる。
二人は実は同じ場所で同じ親から生まれた本当の兄妹だということを知り、ムギツク(妹)が消えた原因を突き止めるべく力を合わせて「世界の終わり」について調べ始める…
題して「天空の城ヴァージン・スーサイズ・アット・ハンギングロック」ってもう何が何やら…
って生き物を擬人化しまくってストーリーまで作って、動物の擬人化解釈を厳しく戒めたローレンツ先生に怒られるで。
と思ったけど、鉄道でも兵器でも艦船でも宇宙船でも都道府県までも何でも萌え擬人化するのは日本文化ですわな。
まいっちんぐローレンツ先生!まいっち~んぐ!

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