ボラを辻撃ち

平均年齢が30を過ぎた男四人で昼くらいから海に繰り出す。
長さが大幅にアップし、シャフトにカーボン取り入れ、パイプ内に発泡スチロールを内蔵し、銛先が高級品になったヤスの事実上のデビュー戦。
遠目に見える海底で餌を漁る巨大ボラに向かって試射してみる。
かなりの初速と射程と貫通力を発揮し、一瞬後には綺麗な直線を描いて胴体のど真ん中に深々と突き刺さっていた。
体をくねらせてもがくボラを見ながら「おー届いた」と驚く。
60オーバーのボラがもがく感触がヤス先からガンガン伝わってくる。
慌てて押さえに入ろうとするも一呼吸遅れ、ボラはヤスを振り払って手傷を負ったまま沖に逃げ去った。
ボラには悪いが、全長が上がり、浮力と材質で水中での重さが軽くなり、ヤス先が鋭くなったことでかなり強力になったのを感じた。
ただ、長くなった分押さえが難しくなったかもしれない。


ということで次は押さえを意識して、二匹目のボラに辻斬りならぬ辻撃ち。
視界に入った通りすがりのボラの群れ。10匹足らずの群れの中で一番大きい運の悪いボラにゴム引きMAXフルパワーのヤスを撃ち込む。
気持ちの良い鈍い音ともに鰓蓋下付近にヤス先の根元まで突き刺さる。
ヤスが刺さった瞬間強烈に暴れ出すも、刺さった瞬間にフィンキックして、腕を上にヤス先を下に振り、もがくボラを強引に水底に押し付ける。
ヤスが長い分押さえにくいけど、押さえられないことは無いようで、暴れるボラを水底に持って行き、固定出来るほどの頑丈さは余裕であるようだ。
後はいつもと同じ動作。水底に釘付けになってるボラに更にヤスを深く押し込んで、鰓蓋に指を入れてがっちりつかんで浮上。
腰から抜いたナイフを鰓蓋から入れて脊椎と大動脈を切断して活け締めし、鰓を毟り取る。
ドクドクあふれ出てあたりに広がる血煙と、暴走した生体電流が筋肉を痙攣させるピクピク、青い海と水面でギラギラ輝く太陽の相乗効果がえもいわれぬ至福感をもたらす。
夏だ。海だ。太陽が暑く、水が冷たい。なんというか歯車がかみ合ったような感覚がする。
結局この日の突果は小型アカエイ、アナゴ80くらいと30くらい、ボラ70くらいの計4匹と言う感じ。
メバルを突こうかと迷ったけど、30cm以下だったのでなんとか我慢した。
対象魚外のスコアやけど、今日はヤスの試射と慣らしと割り切っていたので満足。
この場所は海水浴場なので対象魚自体に殆どお目にかかれないけど、いつもの場所に行けばその性能を存分に発揮できるだろう。
二股ヤスでなくチョッキ銛にすれば押さえの問題はクリアされる。
チョッキ銛の試作品は去年数匹のイシダイを突いているので問題は無さそうだ。
二股ヤスを本気でチョッキ銛に乗せかえるのを検討することにした。
水底から顔を出すアナゴに打ち込んだヤスは、地中に引きずり込もうとするアナゴの強烈な引きにも問題なく耐えた。
心配されたカーボンシャフトの強度も問題ないようで何より。
今日見たヤス対象魚は遠い岩場で何かを齧るクチグロと化した巨大イシダイとクロダイ数匹の群れ。
どちらも殆ど出会い頭に近く、完全に射程距離内やったけど、こちらが身構える間もなく海の彼方に消えた。
あるいはもっと用心深く索敵すれば、遠くからその姿を確認していれば狩れたかもしれないと少し反省。
ヤスの性能以前に自分の能力をあげるのが大事だと思った。

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