レオ・レオニ 絵本のしごと/世界の痛みは自分の痛みか?

 

また終わった展覧会の事を書くのもなんだが、去年の末に京都伊勢丹の美術館「えき」の「レオ・レオニ 絵本のしごと」に行って来た。

 

 

レオ・レオニといえば、『スイミー』とか『フレデリック』とか『平行植物』の作者としておなじみの絵本作家である。

展覧会の冒頭の説明文で、

私にとって絵本はずっと自分の中にある問題を問いかけ、答えを求める手段であった。

って感じの事が書いてあり「グッ」と来て一気に引き込まれる。

文学でも哲学でも音楽でもそして絵本でも、自分の中にある個人的な問題を必死で問いかける様は素直に無闇に感動するのだ。

彼の初期の作品は個性と異端だとか芸術と有用性だとかの狭間で悩むキャラクター達の物語が多く、彼が自分の中に抱いていた問題がなんだかとても身につまされるなぁ。うぅぅ。

そして、後年の彼は社会的だったり世界的だったり民族的だったりする大きなテーマも扱うわけであるけど、それは本当に個人的でしかなかった問題が解消したり解決したり問題でなくったからこそ、世界や社会の痛みや問題を本当の自分の痛みや問題として捉え考えることが出来るのだということが良く分かったような気がする。

自分自身の問題から逃避したり棚上げするために社会活動を行う的なタイプとは全く違う感じだ。

そして展覧会会場の出口付近で彼の絵本を読めるコーナーがあったが、どれも素晴らしかった。

なんというか、ちゃんとしっかり言語化できるというか、西洋的な理屈っぽさがとても心地良い感じの絵本ですな。ちゃんと子供に説明できるところがまたよろしいですな。

京都ではもう終わったけど、

2013年6月22日(土)~8月4日(日):Bunkamuraザ・ミュージアム(東京・渋谷区)

2013年12月7日(土)~2014年2月16日(日):北九州市立美術館分館

2014年4月26日(土)~2014年6月8日(日):刈谷市美術館

って感じのスケジュールらしいので、機会があればぜひ!

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