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2012年6月15日

ウィーンその2、二日目、カイザーゼンメルとカールス教会、そしてグロック

ウィーン二日目の朝、この日から本格的なウィーン巡りが始まる。
ウィーンは一周四キロほどの「リンク」と呼ばれる環状道路に囲まれた部分に観光名所が集中しており、ウィーンの象徴で観光の基点と位置づけられる「シュテファン大聖堂」はそのリンクのほぼ中央に位置している。
私たちが泊まったホテルはその「リンク」の南のはずれにあり、最寄りの地下鉄の駅がリンクの中央を南北に突き抜けているU1という路線のケプラープラッツ駅まで徒歩数分という立地であった。
今日の観光の基点となるカールスプラッツ駅はそのリンクの一番南端に接する部分にあり、リンク沿いとリンク外に行くのに便利な様々な路線バスの乗り継ぎ駅ともなる。
そして今日はそのリンクの西側部分を集中的に回ることになる。
その本日の予定は「美術史美術館」「レオポルド美術館」「マリアヒルファー通り」「有名カフェのどっか」という感じだが、ブログを書いてみると余りにも長くなりそうなので、エントリーを何個かに分けて書こうと思う。
そして、すべての写真はクリックすると大きくなります
まずは、朝食はホテルのバイキング。
お国柄かチーズとパンとハムが充実している印象。
パンはこんな感じ
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チーズはこんな感じ
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ウィーン名物のこのパン、カイザーゼンメルと呼ばれる、丸くて中心から外側に向けて放射状に筋の入ったパンである。放射状の筋を王冠に見立ててカイザーという事らしい。
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ドイツでもイタリアでもポピュラーなものであるらしいけど、もともはオーストリア発祥なんだそうだ。
水平方向に二つに割って、ソーセージやハム、更にクリームチーズだのブルーチーズだのを乗せて、挟んで食べる。うむむ…これは美味しい。
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ウィーンではジャムかバターだけを挟んで食べるのが普通らしいけど、ついつい色々と具を挟んでしまう。
そこそこ具を挟んだだけでも一個食べれば結構おなかいっぱいになってしまうのが残念。
その横のビスケット的なパンも、こんな感じに上にハムだのチーズだのを乗せてオープンサンド的に食す。
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あと、この燻製した後にマリネにしてあるこの魚の料理が美味しかった。付け合せのオレンジ色の「発芽しかかった種」も含めて日本ではあまり食べた記憶の無い料理だ。
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全般的に朝食はこんな感じになる。
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ちなみにクロワッサンも元々はウィーンで生まれたもので、後にフランスに伝わって発展したものらしいですな。
で、朝食を食べた後、道の途中にあるスーパーで飲料水を確保しつつケプラープラッツ駅まで歩く。
刻印機でウィーンカードにスタート時刻を刻印した後に地下鉄に乗る。
以降72時間は地下鉄路面電車などが乗り放題となる。
ケプラープラッツから北に数駅、オペラ座の直ぐ横に出るカールスプラッツ駅で地上に上がり、ここからいよいよウィーン観光の始まり始まり。(写真は旧カールスプラッツ駅舎)
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本日一番最初に行こうと決めていた「美術史美術館」の開館まで時間があるので、カールスプラッツ辺りをブラブラ散歩していて目に付いたカールス教会に入ってみる。
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この建物は、1713年にカール6世がペスト撲滅を祈願して建てた、バロック建築の傑作のひとつとされているカトリック教会であるらしい。
確かにもう外の柱からして無闇にゴテゴテしたバロック然とした装飾が施されとりますな。
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入り口で入場料を取られてびっくりした。カトリック教会なのに??
ちなみに受付のレディーの対応はデフォルトではとても無愛想で適当。カトリック教会なのに??
でもこちらから笑顔で愛想よくしてみると相手も愛想良くにこやかになる。
スーパーでも空港でも飲食店でもカトリック教会でも、「デフォルト愛想悪く適当で後は相手に合わせる(というより釣られる)」これが基本的なウィーンの労働スタンスなんだということがよくわかった。
というより世界的に見れば日本だけが「デフォルトで無闇に愛想よく親切」な特殊な位置にあるんやろうけど。
もちろん最初から優しくて愛想の良い人(オペラ座近くのソーセージスタンドのおっちゃんやドプリンガーのレジの女性)や、最初から最後まで愛想も悪く嫌そうで対応も適当な人(同ソーセージスタンドでソーセージを焼く女性、アルベティーナ美術館のチケット売り)もいる。まぁこの辺は個人差か。
そしてそのカールス教会の中、
外観のゴテゴテに更にキラキラが追加されたような感じで圧倒される。
教会といえばステンドグラスが多用されているイメージがあるが、ここにはステンドグラスが無かったような気がする。
その代わり天井と祭壇から採光された光が聖堂の中の大理石と金色のレリーフに反射して不思議な効果をもたらしていた。
真正面のメイン祭壇はこんな感じで絵でも聖像でもなく彫刻とレリーフで構成されている。
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レリーフの真上と東映マークみたいな太陽から採光される光が眩くて、ずーっと見つめていると、目がー!目がー!っとなりそうなほどなきらびやかさ。
雲に乗ったキリストが大勢の天使を従えて現れてるように見えるので「最後の審判」がモチーフか!?コレは珍しい。と思ったのだが、調べてみると「聖ボロメウスの被昇天」であるらしい。
この教会の守護聖人でもあるペスト収束の聖人カール・ボロメウスにちなんでいるというが、恥ずかしながら私はカール・ボロメウスなる聖人など知らなかった。
日本ではカロロ・ボロメオとかカルロ・ボッロメーオと呼ばれているようですな。
ヨーロッパではペストのトラウマが時代を超えて受け継がれているので、ペスト収束の守護聖人はメジャーなのかもしれないけど、ペストの怖さを全く知らない日本人にとってはフーンな存在なのかもしれない。
そのメイン祭壇の前には祈るための跪き台が置いてあるのだが、よく見るとその下の床がパカッと開きそうな構造で微妙に怖いww
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自分の罪を告白して祈っていたり、ご無体な願いを神に願ってみたりして「ダメ!ゼッタイ!」となると床が開いてカタコンベに直送されるシステムになってるとかww
いやいやローマ・カトリックはそんな宗教じゃありません。って怒られるで…
主祭壇とはまた別の「聖母マリアの被昇天」をモチーフにした祭壇
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ネット上などでは聖人もキリストも含めて「昇天」と書かれているが、キリスト教では自力で天に上がることができるのは神でもあるキリストだけなので「昇天」が可能なのはキリストだけということになる。聖母マリア含め上の聖ボロメウスやその他もろもろの天に昇った聖人は、自力で昇ったわけではなく神によって天にあげられたので「被昇天」となるのだそうだ。
しかしこの絵は聖母マリアの被昇天というよりは生贄台の上から生贄に逃げられたのを残念がっている風に見える…っていやほんまに怒られるで…
そしてこちらも別の聖母マリア+キリストの祭壇。
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この祭壇には他の祭壇に無いお供え用蝋燭もあり、丸いタイプと長細タイプと各種取り揃えてある。各一本0.5ユーロ。
記念に一本お供えしたかったのだが、50ツェント硬貨が無かったので1ユーロ投入して丸いタイプと長いタイプの二本を供えてきた。
しかしここは単純に聖母に対する祭壇であるだけでなく、ちょっと捻ってあり、祭壇の絵にはキリストを抱く聖母の他にその聖母とキリストを描いている人も描かれている。
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恐らくこれは聖ルカだろう。ルカは医者と画家の守護聖人とされているのでペスト収束を願うこの教会のモチーフにぴったりする。
聖母マリアに祈る人、キリストに祈る人、ルカに無病息災や病気平癒を願って祈る人、また絵が上手になりますようにと祈る人がろうそくをお供えするに違いない。
そしてこの手前立っているキリストを抱く聖母マリアのイコンであるが、
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今まであまり見たことの無いタイプの聖母子のイコンであり、かつ聖母マリアがキリストをすっぽり袖で覆っている様やその表情、そして全体的な構成とか色とかあらゆる部分で素晴らしくちょっと感動した。イコンの割には立体的やけどww
さらにその手前にはルター訳の聖書の扉ページっぽいのが展示してある。
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この書体はもう全く読めんのだが、かろうじで「auf dem」とか「zu」「Der」と読み取れるので、どうやらドイツ語であろうということ以外全く訳がわからない、1734とか1739とかの年号が書いてあるのでただの説明分のような気もする。たぶんきっとそうだ。
さらに聖水の出る蛇口のようなものがあって驚いた。
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聖水と言えば入り口の盆にちょこっと満たしてあるイメージがあるけど、さすが国民の70%ほどがローマ・カトリックのオーストリアだけあって「ポンジュースの出る蛇口」的に「聖水の出る蛇口」が教会に装備されているのかと驚いた。
ってまたこんな事書いたらマジで怒られるって…
そして天井から声が降ってくるタイプの聖歌隊席。パイプオルガンのパイプも見える。
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巡業してきたウィーン少年合唱団とかがオルガンをバックに歌えば天井からの声と音色が正に天上から聞こえてくるように聞こえるわけですな。うむ。コレは上手い事言うたった!
現在修復中の天井のフレスコ画は修復のため足場が組まれていて不細工だが、その代わりにこんな感じのエレベーターに乗って、足場に移動してフレスコ画を間直から見ることが出来る。
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しかし、天上のフレスコ画よりも付近の装飾の彫刻やレリーフの方に目を引かれた…
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関係ないがこのエレベータの中にいたエレベーターガール的な女性は椅子に座ってクロスワードをやっていた。
対応はとても適当で態度もとても悪いのだが、愛想だけが無闇に良くって不思議な感じであった。
ウィーンに来て初めて入った観光施設であるせいもあるだろうが建物と内部の装飾に圧倒された。
今まで日本でいくつかのカトリック教会に入ったことはあるけど、今までに見たものは足元に及ばないくらいの派手さである。
ウィーンのカトリック教会の派手さは、タイやミャンマーなどにある上座仏教とか南伝仏教とか言われる類の「極楽浄土を模しました」的なお寺の派手さと方向性は同じかもしれない。
ぱっとしない日常生活で苦しみながら背後世界に救いを求める人にとって、やがて訪れる神の国の一片が、死後に生まれ変わる天国の一片がこうあるのはまさに救いとなるに違いない。
日常生活にまみれている身にとって、この豪華絢爛な聖堂はまさに非日常であるとしか思えない。
カトリック思想は人間のできることなどたかが知れていて、人間は完全に神によって救いがもたらされる以外にないことになっており、思想全体としてはは「大乗」的である。
しかし、結局人間個人が神に救われるに値するかどうかというのは個人のモラルや精進によって積んだ「徳」の問題になってくるという賞罰的な側面もあるから、個人レベルの自分自身にかかわってくる信仰では「小乗」的な側面を持たざるを得ない。
「天国」の一端を垣間見る程の豪華絢爛な場でありながら、同時に絶対者に祈る場としての静謐さと厳粛さを備えており、そして我々のいる日常と天上の神の世界を繋ぐ場所であるところが教会のすばらしいところであるように思う。
それが、後に行った同じベルベデーレ宮殿やアルベティーナの宮殿を模した部屋などのただ豪華なだけな建築とは全く違う点であるように思う。
ただ派手じゃなくそこにヌミノーゼなものを宿すのがヨーロッパ的な美の一つの到達点であり、その完成形の一つがカトリック教会なのだと思う。
このカールス教会はウィーンでのカトリック教会の観光名所のポジションとしては2、3番手以降くらいであるにかかわらず入場料を取っていた。
カトリック教会が入場者から金銭を徴収するのに驚いたけど、完全に観光客相手の施設ならそれもありだろう。
しかし聖堂に入る手前に観光客向けに開放されている聖堂とはまた別の信者向けと思われる小さい礼拝室的なものもあった。
おそらく一般の信者は入場料を取られずに中に入り、中の聖堂ではなくここで祈るのかもしれない。
調べてみるとこの部屋は聖体を安置してあり、聖体に祈りをささげる部屋であるらしい。
私はこの部屋の写真を撮ったのだが、確かに聖体がそこにあるしるしである赤いランプと聖体が入っているであろう容器が写っている。余りにも畏れ多いので写真は載せない。
我々が行った時は朝早かったので我々二人しか聖堂にいなかったが、ツアーなどで大量の人が来てガヤガヤしていれば現地の一般信者は落ち着いて祈ってなどいられないだろうし、キリストの体そのものということになっている聖体が入っている容器を観光客の目の触れるところに置いておく訳にもいかないだろう。
カトリック教会の運営は、信者からの寄付と上部組織からの交付金で運営されるのだろうけど(めっちゃ推測)
観光名所となって次々に人が訪れる教会となって入場料を取れば教会運営と維持はかなり楽になるに違いない。
観光名所として入場料を取り、ハプスブルグの富とローマ・カトリックの威光を見せる場でありながら、地元の信者にとっての心のよりどころである落ち着いて神と対面して祈れる場で、天井の国の入り口でもあろうとする、商業主義と信仰のよりどころの二つの間でせめぎあう、といったら怒られるかもしれないが、両立しにくい二つの場であろうとするちょっとしたジレンマのようなものも「ちょっとだけ」感じた。ちょっとだけね。
で、カールス教会を出たらそろそろ良い時間になっていたので、次は路面電車の停留場オペラ座のまん前の「oper」からリンクを時計回りする路線1に乗って「美術史美術館」へ向かう。降りる停留場は適当…
路面電車に乗る前に、ガタイの良い警察官とすれ違ったのだが、その腰に刺さっているのが、かのオーストリアのグロック社の名銃「Glock 17」だった。
いやもしかしたらGlock19かも知れんけどとにかくグロックであった。
「グロック見せてー!」と警察に飛びついて話しかけたかったのだが、警察にすれば謎のアジア人に「グロック%$#%~!」と話しかけられたら思わず発砲したくなるに違いない。
9mm弾が自分に打ち込まれるところを見るのは御免なのでなんとか自重した。
スキポール空港のMP5といいウィーンの警察が持ってるグロックと良い、外国は別の意味でもテンション上がりますなぁ。
私はGlock 26とGlock 17の二種類のエアソフトガンを持っているけど、始めて見る本物のグロックに無闇に感動して、グロックのポリマーフレームが当時いかに斬新で革新的だったのか、また東京マルイのGlock26の驚異的な命中精度がショートバレルの故であることを熱く連れに語って「ふ~ん」と流された。
しかし、腰に刺してるグリップの後ろとサイドをチラッと見ただけでグロックと判るのも大したもんやと自分のムダ知識に感心したのであった。
私はSIGとかGlockとかのマニュアルセーフティーの無いハンドガンが大好きなのだが…
ウィーンと全く関係ない話になりそうなので割愛…
次回に続く…

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