先週と今週のガサガサ成果/仁義なき戦い水槽

週末恒例となったガサガサであるが、今週は、40センチ近い巨大なフナを捕獲。ギンブナにしては大きいがたぶんヘラブナではなさそう。
s-huna201106.jpg(クリックで拡大)
一緒に写っているクロックスと比べればその大きさが。お分かりいただけよう。
網に入った瞬間滅茶苦茶暴れた。もう河童でも入ったのかとびっくりした。
このフナを捕獲した周りには巨大な鯉も沢山泳いでいる。次は巨大鯉を網で捕まえるぞ!
で、先週は4センチほどのカワムツを3匹お持ち帰りして、アブラボテ水槽に投入した。
いつも喧嘩ばっかりしているアブラボテ4匹の中に、これまた縄張り意識強めのカワムツを3匹追加ということになる。
縄張り意識が強くて攻撃的なアブラボテ4匹で既に殺伐とした状態だったのに、カワムツ3匹投入でさらにカオス状態が酷くなった「仁義無き縄張り争い水槽」はこんな感じ。
s-jinginaki201106.jpg(クリックで拡大)


何時見ても、この水槽の中ではカワムツ同士、アブラボテ同士が常に入り乱れて壮絶な縄張り争いが繰り広げられている。
水草やら流木の間を縫って縦横無尽に泳ぎまわりながら高速でつつき合う様はまるで戦闘機がドッグファイトしているようで、何時見ても惚れ惚れする。
基本的に魚は同属にのみ攻撃を加えて追い払うので、体系の全く違う丸っこいアブラボテと流線型のカワムツは殆どお互いをスルーしているし、水底にいるシマドジョウやその辺でうろうろしているミナミヌマエビは完全に無視されている。
基本的にカワムツは水面付近、アブラボテは中層以下を遊泳域としているので、ニアミスすることもそんなには多くないのだが、ドッグファイト中のカワムツとアブラボテが時々すれ違いざまにお互いを攻撃することもある。しかしそれも反射的に攻撃してしまった風で本人たちも誤認攻撃とみなしているようで深追いすることは無い。
縄張りを確保して守る性質は餌場やメスや産卵場所や隠れ場所を所有するために役立つのであり、自分とは関係ない種の個体ではその利害が対立することは少ない。
例えば、タナゴがメスや産卵のための二枚貝を確保するためにカワムツに対して攻撃を仕掛ける必要は全く無いし、カワムツが自分が餌を独占するために餌場からドジョウを追い払う必要は無いわけである。
そして魚同士は自分と同じ種を判別するために体のシルエットや特徴的なラインや模様を使用しているらしい。
だからアブラボテ水槽に同じようなシルエットを持った別の魚を入れると、同種と見なされて攻撃されてしまうし、長細いシルエットのカワムツとムギツクを一緒に入れればカワムツはムギツクを必死で撃退するだろう。
というわけで、アブラボテとカワムツとシマドジョウという全く違うシルエットと遊泳域を持った種類同士は以外に上手くいくのである。
なんというか、魚同士の闘争にも自然発生的に生まれたハーグ陸戦条約のようなルールがあるようにも見える。
しかし、それがモラルや人権なとどいったものからではなく、専守防衛と権利確保の効率化が突き詰められた結果の自然淘汰によって生まれたものであると言うのがよろしいですな。
この「仁義無き縄張り争い水槽」は横30センチ強と結構小さいのにも関わらず、アブラボテ4匹カワムツ3匹シマドジョウ2匹と少々数が多いせいか、一匹を追い払っているうちに別の一匹が縄張りに入ってきて攻撃目標を頻繁に変更せざるを得ないようで、それぞれの最強戦士の攻撃が分散して、常に一匹が一方的に攻撃されている状況が殆ど出来ず、一匹だけが衰弱するということも無い。
障害物も多いので、攻撃されることの多い小さめの個体の方が小回りも利いて逃げやすく、死角も多いようで、縄張り意識の強い魚はあえて縄張りが殆ど意味を成さないくらいの過密気味で飼うという手もあるようだ。
普通群れで魚を飼うと一匹がひたすらいじめられて餌も食べなくなって水槽の隅っこにひきこもったまま衰弱死することが非常に多い。
その辺の話は色々な意味でこのさかなクン閣下の名文をぜひ御覧頂きたいのだが、
それでも、この水槽がいじめの犠牲者を出さずに維持されているのは、このアブラボテやらカワムツくらいの攻撃性を持った、基本群れで暮らさずに単独行動をする、ちょっとつつかれたくらいでは全く意に介さずひたすら楽しそうに戦ってばかりの、戦闘民族サイヤ人のような性質にかなりの所を因っているような気がする。
常に頭上で制空権(制水権?)を巡って、ドラケンのような体系のアブラボテ同士、スターファイターのように細長いカワムツ同士が、壮絶なドッグファイトを高速で繰り広げている今のリビアのような状況を全く意に介さず、ひたすらのんびりと、自分が他人を攻撃する可能性など想像もつかないような顔で、二匹並んで水底の砂をモフモフして餌を漁っているシマドジョウが可笑しい。
シマドジョウ同士で喧嘩して何処に埋まっているか分からない水底の砂の中の餌を取り合うくらいなら、争わずに仲良く並んで黙々と探した方が効率が良いし、なによりも喧嘩していると折角の迷彩模様が台無しなくらいに捕食者から目立ってしまうのだろう。
ひたすら喧嘩ばかりする魚も、ひたすら平和主義の魚もどちらもがその環境や種に応じて、生き残り戦略としての主義が自然淘汰の中で研ぎ澄まされてきたのだ。ってのが良く分かる。
とはいえ、いつもは温厚で(・ω・)な感じのシマドジョウさんが、(゜ω゜)クワッと怒り狂って巡航ミサイルのようにアブラボテに突撃する、「フドウの父さん鬼神モード」的なところを一度でいいから見てみたいのであった。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP