初海2009 その1 「釣れないので突いてみた」 (カミナリイカ編、イカ肝と白ワインベースのカミナリイカスパゲティー山葵アオサ添え)
真夏と変わらない強烈な日差しの中、海に向かう。
食料は現地調達の予定であるけど、一応地元のスーパーで食料を買って氷を調達してゆく。
サザエは安くて3つ250円、平均的には一個100円くらいである。
今年の初海は誰もいない海と浜だった。去年に新調した二股ヤス先を手に海に入る。一面の砂浜、目の前を群れをなして通り過ぎるマアジの大群、海底で餌の取り合いで喧嘩しているネズミゴチ、海面と海底で乱反射して目を射る光の渦、何度感じても慣れない至福の感覚である。
深度10mほどの沈み根を捜索中に二匹のコウイカ系のイカが根と砂の境界らへんで佇んでいるのを発見。
手前のイカは少し小さめでその向こう側にいる大き目のイカにははっきりと大きな「目」のような斑紋が確認できる。ということは、手前の小さいのがメスで向こう側の大きいのがオスのカミナリイカだろう。時期的にこの二匹は卵を産みに来たか産み終わったつがいにちがいない。
産卵しようとしているカップルを襲うのに一瞬ためらったものの、気にせず向こう側のオスめがけてダッシュ、こちらに気づいて逃げの体勢になったところにヤスを撃ち込んで難なく回収。この種のイカがスミイカと呼ばれるだけのことはあり、辺りが黒く染まるほどに大量の墨を吐いた。
甲長30センチほどの見事なカミナリイカであった。
先々週から釣りたくてしょうがなかったイカであるが、釣っても釣れないので突いてみた。というところである。
とりあえず現地で足を数本ぶった切って刺身にする。
魚は死んでから一日後以降が最高に美味しいけど、イカの刺身だけは採りたてが最高である。
このイカは正式な和名はカミナリイカであるけど、一般的にはモンゴウイカと呼ばれるイカであり、さすがにその刺身は美味しすぎる。
ということで刺身だけでは芸がないので、当初はすでに材料を準備して作る予定であった「サザエスパゲティー」の予定を変更しイカ墨スパゲティーを作ろうと思っていたのだが、あるだけ吐いたせいか解体した時には墨袋は空だったのでとても残念。ということで、「イカ肝と白ワインベースのカミナリイカスパゲティー山葵アオサ添え」を作った。
以下作り方:
1・海水2、真水1くらいの割合の水でスパゲティーを茹でる。
2・その辺で取ってきたアオサをオリーブオイルで炒め、繊維が崩れてきたところに白ワインを注ぎペースト状にし、ピリッとするくらいに山葵を入れる。これは小皿に出してとって置く
3・にんにくスライスを揚げたオリーブオイルで潰したイカの肝を炒めて白ワインを注いでソースとし、塩コショウで味を調える。
4・ぶつ切りにしたイカのゲソやら何やらをちょっとだけ炒めて、茹で上がったスパゲティーを投入。
5・混ぜ合わせた後、2の山葵アオサを上に盛り付けて出来上がり。
イカ肝の濃厚な味とにんにくの風味と山葵アオサのピリピリ感がとても美味しい。これはどんなお店で食べるどんなスパゲティーよりも美味しいと思う。
太陽の日差しを浴びながら、視界に海しかない状態で、キンキンに冷やした白ワインを飲みながら、このスパゲティーを食べているのはこの世の楽園である。