食べ物から文化を感じる

最近なぜか家にワインが常備されている。
仕事から帰ってきて夕食を食べた後、好きな本を読んだり好きな音楽を聴いたり画集を眺めたりといった非生産的な娯楽に身をゆだねてまったりしたり、あるいはipodを分解して改造したりフランス語を勉強したりコードの一つでも書いてみたりとちょっとだけ生産的な活動を行って頭をフルドライブさせながら、グラスに一杯のワインを飲むのが最近の楽しみの一つである。
ただワインだけを飲むのじゃなくその時のおつまみに、色々なものを作ったり買ってきたりして試してみてたのだが、結局バゲットをそのまま食べるのが一番美味しいという結論に至った。
バゲットを斜めに2センチ厚ほどの輪切りにして一枚ずつかじってむしゃむしゃ。合間にワインをちょびちょび飲む。これがベストである。
となると、今度はどこのバゲットが一番美味しいのか。ということになる。
ネットは勿論、色々な知り合いやパン好きの友人に話を聞いて、色々なお店のバゲットを買ってひたすら食べ続けた。
美味しさは勿論大事な基準だが、おつまみとして日常的に食べるのなら、値段や入手製もとても大事な基準である。
すぐに売れ切れて中々買えない有名店から不味くて有名なパン屋さん、なぜか無駄に高いお店からスーパーで売ってるような安物、個人商店からチェーン店になっているような店まで色々なお店を巡った。
「バタール」でもなく「カンパーニュ系」でもなく、ただひたすら「バゲット」だけを買ったのだ。


で、結局、おつまみとして日常的に食べるには、一番美味しいお店に比べれば劣るけど問題なく美味しく、確実にクープもぱっくり気泡もランダムにボコボコで見た目も良い、値段もむやみに高くなく、何よりもそこら中に店があり一定以上のグレードの供給性が高い、京都の大手チェーンである「進々堂」が一番であると結論付けた。
バゲットは買ってきた日は切るときにちょっと刃にねじりを加わえるとボロボロ崩れるほどに硬かった表面が、次の日には柔らかく切り易くなり、その次の日にはもうヘニャヘニャになって余り美味しくなくなるので、私は買ってきた日は食べる分だけ切り、次の日に残りを全部スライスして、ジップロックに入れて冷凍するようにしている。
毎日ワインを飲むわけじゃないので、必要な時は冷凍庫から食べる分だけ取り出して皿の上に放置しておけばすぐに自然解凍されて食べられるようになるのだが、この時、進々堂のバゲットは、他の美味しいといわれるお店よりも明らかに味が落ちたという印象が少ないような気がする。
私は海でこれでもかとキンキンに冷やした白ワインを飲みながら、オリーブオイルを効かせたサザエのスパゲティーを食べる度に、海の幸とオリーブとパスタというイタリア的な組み合わせのその美味しさにイタリア人て凄いなぁとしみじみ思うのだが、
最近はバゲットを食べながら赤ワインを飲んでいると、香ばしい小麦粉のさっぱりした味と赤ワインの濃さの組み合わせの妙に、しみじみ農業大国の葡萄と小麦の底力を感じて、フランス人は凄いなぁと感心するのであった。
ということで、ぜひ皆さん、赤ワインを飲むときはチーズなんぞおつまみにせず、
一度「進々堂」のバゲットをそのままで食べてみてください。お勧めでーす。
あ、それから「進々堂」の方、
ブログで宣伝したお礼にバゲット進呈するって言われても断りませんよーwww

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