海二日目、海中でスナイパーのプレデター

海二日目

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(それぞれクリックで拡大)

砂地で泳ぐ巨大キュウセンを辻撃ちする。
キュウセンだとかシロギスは細すぎて撃ってもほとんどあたらないのだが、このキュウセンは通りすがりに戯れに真下にいたのを撃ってみたらなぜか見事に命中。しかも刺さった瞬間に即死の見事なヘッドショット。
キュウセンにすればかなりでかいのだが、この大きさでもよく見ればオスではなくオスになりかけのメスである。胸元に黒い模様が浮かびありつつのがお分かりいただけよう。
そしてクロダイ。水中で寄せを試み、寄り切って逃げの体制に入ったところを一撃。
左斜め後ろの位置から撃ち、左の鰓蓋から右目へと貫通する、これも刺さった瞬間即死の見事な脊椎断裂ショットである。
次のカワハギであるが、カワハギもこのくらいのサイズになるととても警戒心が強くて射程距離に入らせてくれない、遠巻きに様子を見ながら岩陰の死角に回り込んで待ち伏せて、出てきたところを一撃、左側の目元から右側の口元へと抜ける芸術的な一撃だった。
次のちびっ子キジハタは岩陰に潜む巨大なカサゴを狙って撃ったものの見事に外れ、外れたヤス先が突っ込んだ岩陰の先にいたこの不運なキジハタに刺さったというもの。
なんだかこの夏の運をこの一撃で使い果たしたような気がしないでもない。


201008010kanikani.jpg(クリックで拡大)そして次はイシガニのオスメス、イシガニ夫妻である。
今まで海中でイシガニに遭遇してもよっぽどの事が無い限りスルーしていたが、カニとニンニクのスパゲッティーの美味しさに目覚めたために、見つければ欠かさずに捕獲することにした。
この写真は「やられた~」といっているようで結構お気に入りの一枚である。
しかし、このカニを、水中で、しかも網ではなくヤスで捕獲するのが意外に難しい。
まず、甲羅を砕いてしまってカニミソが出れば元も子もないので、甲羅に穴を開けないように撃つ必要がある。
正面から二本ヤスの間に挟むように撃つのがベストであるが、岩の間にいるカニを正面から撃つ機会は殆ど無いので、必然的に真上から撃つ場面が多くなる。
その場合、甲羅を割らないためにははもう目と目の間をだけを突き刺すしかない。
それでもちょっと間違えて強すぎれば甲羅は砕けるし、ゆるすぎたりためらいがありすぎるとカニは一目散に岩の間に逃げ込んで帰って来ない。
魚を突く時の方向性とは違うものの、カニミソを出さないような位置をピンポイントに、殻を貫くが砕けてしまわないような強すぎず弱すぎない力で打ち抜くのはとてつもない精密射撃である。
そして上手くカニを捕獲した後、ヤスに刺したまま海岸に帰るのなら問題ないが、そのまま狩を続けるならそのカニをヤスから抜いてキープしておく必要がある。
魚なら鰓をむしりとってヤスから抜き、メグシで鰓から口へと紐を通して腰にぶら下げておけるのだが、カニは紐を通しておくような構造が無いのでそうも行かない。
とにかくナイフを口から入れて目の間をあたりを突き刺して絞めて止めを刺す。
私は貝取りと間違われないために、また水中での動きが制限されるので網を持って泳がないので、カニを網に入れておくということは出来ない。
だからといって左手にカニ、右手にヤスを手に持ったまま泳ぐわけにも行かないので、必然的に海パンのポケットかラッシュガードと体の間に入れておくのだが、絞め方が不十分だと途中で生き返って挟まれて痛いのなんのである。
カニをヤスで刺すというのは数センチ四方をピンポイントで適切な力加減で打ち抜く精密射撃を要求される上に、射撃後にキープしておいてもいつ生き返ってお腹の辺りのお肉をそのハサミで力いっぱい挟まれるか分らないスリリングさと隣り合わせの狩りなのである。
なんというか最近は突く魚自体はたいしたことは無いけど、突き方がなんかやたらと玄人ぽくなってきたと思うし、この程度の魚ならいくらでも狩れるような気がする。
プレデターにまた一歩近づいたような気がする。
キュウセンとキジハタは鱗を落として腹を出して塩焼きに、キジハタが美味しいのは当たり前だが、キュウセンの美味しさもキジハタとはまた別の方向性の味で美味しかった。
カワハギの肝は三分の一をそのまま生で、あとの三分の二をキジハタの胃と腸、と一緒に塩茹でし、醤油であえて食べた。やっぱりカワハギの肝は珍味過ぎる。
コレはサングリアというよりは日本酒向きですな。
イシガニ夫妻は甲羅を外して体を半分にし、カニミソを丁寧に摘出しておく、フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクと鷹の爪を弱火で炒めたておいて、ハサミと足の部分を赤くなるまで炒め、そのまま白ワインで煮込む。
カニミソ部分は白ワインで溶いて伸ばし、スパゲティーを入れる寸前にフライパンに投入する。
やっぱりカニスパゲティーは美味しすぎるー

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