土偶鉄工所作業日誌「フロントフォークのブレーキ穴開け」

ブログ開設6年目に入ろうかというところで新ジャンル「土偶鉄工所作業日誌」である。
土偶家には一般家庭に無いような工具も多く常備されており、何気にそれらを使って製造したり改造した「モノ」は数多い。
ただ、作ったり改造するだけでなく、その様をブログに載せてみようという企画である。
まず最初は「フロントフォークのブレーキ穴開け」である。
私が乗っているピスト君は元々競輪用のフレームなので後ブレーキだけを無理やりつけている状態で乗っていた。
スピードを出さずにダラダラ街中を走る分には何の問題もなかったのだが、以前からピストが流行ってきて無茶走りをする輩がとても多くなり、ブレーキ論争が白熱してきている。
今までずっと何気にグレーゾーンであった「後ろブレーキだけ」で乗っていたのだが、そのブレーキ論争の当事者になりたくもないし、当然安全面の事も考えて前ブレーキをつける決心をした。
で、ブレーキ穴の無いピスト車に前ブレーキをつけるためには、フォークそのものをブレーキ穴のあるものに交換するか、こんな感じの専用のアダプターを介して取り付けるか、フォークに穴を開けるかしかない。
私の乗っている車体についているフォークは一体型のモノコックではなく古いクラウン型で、肩の部分にハートマークがついていたり、肩のエッジがぴっちり立っていたりととても気に入っているので交換するつもりは全く無い。
かといってアダプターでとりつけるとフォーク周りがちょっとゴテゴテしてしまい美しくないので、フロントフォークに穴を開けることにした。
とはいっても、そこは土偶鉄工所、本来ならちゃんとした設備を持つ自転車屋さんに持ち込むべきところを、自前で穴を開けるのだ。


ロードレーサーのブレーキを使うので、同じようにフロントフォークの正面と後ろの二箇所を貫通させて後ろから没頭式のナットで締めることになる。
フォークの前から6mm、後ろから8mmの穴を開ける必要がある。
当初はボール盤で穴を開けようと思っていたのだが、フォークをヘッドから外すのが面倒くさかったこともあり、この程度の工作なら手持ちの電動ドリルでいけるだろうということで、前輪だけを外した状態で寝かせて足でハンドルを踏んで固定して、手持ちの電動ドリルで穴を開けることにする。
ポンチで穴あけ位置を決定したら真っ直ぐにドリルを固定して体重をかける。
CRCと逆向きエアダスターを時々スプレーしてドリル刃を冷やしながら貫通するまでグリグリ穴を穿つ。
前面が貫通したら裏返して後ろから同じように穴を穿つ。
手持ちドリルなので、もう指と手と体の感覚だけが頼りである。
見よ、この完璧な工作精度。手持ちの電動ドリルでここまで出来れば文句なしではないか。
三枚目は気に入っているクラウンの形状とハートマーク。
20101220105a.jpg20101220105c.jpg20101220105b.jpg
と言いたい所だが、本当は数度ほど傾いてドリルが入って、最初は取り付けたブレーキがタイヤに対して斜めになっていた。
やっぱり面倒でもフォークを外してボール盤にバイスで固定してちゃんと穴を開けるべきだったと後悔するも時すでに遅し。
しかし、ここで諦めれば土偶鉄工所の名がすたる。
丸ヤスリを電動ドリルに取り付け、斜めに開いた穴に突っ込んでタイヤに対して真っ直ぐになるように穴を斜めに広げる。
ブレーキを取り付けた時点で何とかセンターがでるように、拡張されて余分に開いた楕円形の穴の隙間を薄い鉄板で埋めてボルトを締め付ける。
サビも来ないようにグリスも塗っておく。
よく見れば上の画像の二枚目の没頭式ボルトの隙間から鉄板がはみ出しているのがご覧いただけよう。
しばらくこれで走ってみて、30キロくらいからのフルブレーキングでも緩む気配が無かったのでこれでよしとする。
時々緩みをチェックしていれば大丈夫だろう。
取り付けたブレーキは二十五年くらい昔に初めて買ってもらったロードレーサーについていたシマノの105のシングルピボットである。
いつか使う事もあろうかという事で、外してとってあったのだ。ただ、流石にブレーキシューだけは朽ち果てて割れていたので別のDURAを装着。
我ながら物持ちのよさに驚くが、今の時代に無い105のこの渋い青緑の輝きは、四半世紀経ってもまだまた衰えていないですぞ。
ちなみに後輪は初めてデュアルピボットになった古い74系DURAですな。
20101220dura74.jpg

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP