カップルにおけるおしべとめしべとプラスとマイナスと熱力学第一法則

先日、中ノ島でやっていたルノワール展を見に行った時に、国立国際美術館の隣にある「大阪市立科学館」にもついでに寄った。
human.jpg国立国際美術館の「 ルノワール─伝統と革新」は当然面白かったが、当初はついでだったはずの大阪市立博物館が中々に面白かった。
写真の「人間の構成元素の割合」的なマネキンのように子供が見たらトラウマになりそうなものも多いが、
電子顕微鏡だの電波望遠鏡だのとやたらと興味深いものが多く、はやぶさ関連グッズも充実で中々胸が熱くなる施設である。
しかし、ルノワール展に来ている人の年齢層がやたらと高いように思えたのに引き換え、科学館はなぜかやたらとカップル率が高かったのが不思議であった。
なんというか、科学館にカップルが多いというのは、おしべとめしべだとかプラスとマイナスだとか熱力学第一法則だとかそういうことなのだろう。たぶん。


cubekun.jpgで、その大阪市立科学館の入り口にルービックキューブを解くだけの無駄にでかいロボットの「キューブ君」がいた。
キューブ君は六面の各パーツの配置をそれぞれカメラでスキャンした後、外付けのコンピューターの解析ソフトによって解法パターンを計算して、鉄のアームでキューブを回して六面をそろえるだけの、ロボット三原則を犯しようもない薬にも毒にもならない平和なロボットである。
キューブ君自体はキューブをスキャンして、命令通りに鉄のアームでキューブをクルクルまわすだけなので、キューブ君の本当の凄さはその外付けの民生用コンピューターに入っている謎のアルゴリズムの解析ソフトにあるということになる。
ということは、アルゴリズムやソフトウェア次第によっては近寄ってきた人間を捕まえて、赤い服を着た人なら首を、青い服を着た人なら胴体をねじ切る。くらいのことはやってのけそうな殺人マシーンになる可能性を秘めていると思うと何だかほほえましく感じる。
私は特定のキューブが移動したり回転したりするまわし方を数種類覚え、それを何段階かに分けて行って、最終的に六面をそろえる解法であるから、私にとってルービックキューブはパターン化された「覚えゲー」に過ぎない。
ところが、キューブ君にとっては論理的構造の範囲内にあるものなのである。
しかし、逆に言えば、頭で考えて決して理解できない事も、人間は習慣と訓練によって可能とすることが出来るのだと取ることもできる。
凡人にとって習慣と訓練は中々の強力な武器になるのを教えてくれるキューブ君であった。



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