2016年8月28日

冒険者土偶、巨大ヤモリを捕獲せよ

部屋に巨大ヤモリが出没したので何とかしてほしいと依頼が入り、出かける用事もあったのでついでに寄ってゆくかということで依頼を受ける。
ヤモリが部屋にいるとかむしろご褒美やん。と思いつつもそこは創世記の昔から蛇とか爬虫類と女子の間には敵意が存在するのだ。

主なる神は、蛇に向かって言われた。
「このようなことをしたお前は
あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で
呪われるものとなった。お前は、生涯這いまわり、塵を食らう。
お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に
わたしは敵意を置く。彼はお前の頭を砕きお前は彼のかかとを砕く。」
 創世記3:14~15

早速現場に赴くもターゲットの姿は見えず。物陰という物陰を捜索して対象を肉眼で確認。巨大ヤモリと聞いていたが実際に出現したのはほんの生まれたばかりの小さい小さい子ヤモリであった。

ヤモリだろうが怪魚だろうが人間関係だろうが恐怖の対象は実際よりもはるかに大きく見えるものだ。
どんくさくオロオロする子ヤモリを難なく捕獲、子ヤモリゲットだぜー。

 

手の中でもぞもぞ逃げようとする子ヤモリはかなり可愛らしい。
「森へお帰り。特定の人類と爬虫類は同じ世界に住めないのだよ、そのうちにゴキジェットとかで攻撃されれば全面戦争になってしまうやもしれぬ。」とを外に開放してミッションコンプリート。
報酬は北山紅茶館でヌワラエリアを一杯。駆け出し冒険者にはまずまずの依頼だ。

しかし、このような討伐系の依頼を受けてゆくと、野良犬が近所に住み着いたので追い払ってほしい。庭先にスズメバチの巣ができたので駆除してほしい。とエスカレートしてゆき、
そのうち「村のはずれにオークが巣を作って畑を荒らすので群れを殲滅してほしい。」「ワイバーンが飛来して家畜をさらってゆくので迎撃してほしい。」となり、
そして最後には「ドラゴンに姫がさらわれたので救出してほしい。」とかいうどこの勇者様だよ!というトンデモ依頼にエスカレートしてゆくのだろうなぁ。

2014年10月15日

金沢へ行く/色絵雉香炉さんと二人きりになる旅

先月、もう一ヶ月前ほどの話であるが、兼六園と21世紀美術館を目当てに金沢に行ってきた。
金沢駅を下りてすぐに「ゴーゴーカレー」の営業車を発見し、無闇にカレーが食べたくなるリビドーが湧き上がってくる。ナンバーまで55だ!

旅行中はご当地物を食べるのが鉄則である。
金沢カレーはご当地物に含まれるけど、ゴーゴーカレーは京都の三条にあるがな!我慢我慢!
なんせ1日3食なのだ。そんなに何でもかんでも食べられない。
人の食べているカレーはなぜかやたらと美味しそうに見えるが、カレーの営業車まで美味しそうに見えるとは色々末期だな!
ということで、食べたご当地物はこんな感じ。

金沢と言えば回転寿司の「もりもり寿司」。ご当地物のネタが大回転中だー


写真は能登5種盛りとホタルイカ、ノドグロの赤だし。ホタルイカが美味しくて二皿分食べた。
美味しかったー文句なしのご当地ものだー

私は旅行に行くと旅行先のスーパーやデパートの食品売り場に行くのが大好きなのだ。
ということで、ホテルの部屋に帰ってデパ地下寿司をつまみにデパ地下購入の日本酒を飲む。

デパ地下寿司はご当地物度はまぁ半分程度だが、この加賀鶴 特別純米酒『前田利家公』なる日本酒は文句なしのご当地ものだー

ご当地物というかご当地美術館の金沢21世紀美術館の併設カフェ「Fusion21」 で朝昼ご飯の予定だったが
閉まっていたので向かいにあった「いしのき迎賓館」なる建物の中のスイーツなお店で食べた。
 
 
と、このように食べ物から店から見える景色までスイーツ。
この店の名前は「PAUL BOCUSE」?って節子それご当地ものちがう!チェーン店やないかーグローバル社会のあほー!
いやしかし!食器だけはご当地物だぞー

そして金沢に来た目的の一つ兼六園。

前日に雨が降ったせいか庭園中がキノコだらけ。
 
こんな可憐なキノコ達から
 
食べればトリップしてしまうキノコまで沢山!

見ているだけで、うおおーキノコがいっぱい!とテンションが上るが、決してそんなシロシビン系キノコを食べたわけではないのだ。

先日岡山の後楽園に行ったときも思ったのだが、山だろうが植物園だろうが庭園だろうが、植物が生えている場所に行くと、ついついキノコしか探していない自分に気付く。
もちろん私はここ兼六園でもひたすらキノコを探し、景色を撮っている人たちを尻目にひたすらキノコの写真を撮りまくる。

朝一番に行ったので、公園を清掃する人たちが沢山いたのだが、その公園清掃部隊が生えてるキノコを片っ端からむしりとるのを発見して驚愕する。

こんなに可愛くも微笑ましいキノコ達を美とするのは余りにもマイノリティー過ぎるのか?庭園的視点から見れば卑しくも無節操に生えてくるキノコどもは美観を損ねるノイズでしかないのか?

民主化を求めるデモ隊に向かって水平射撃し、片っ端から逮捕してゆく治安部隊のように、容赦なくキノコをちぎっては投げちぎっては投げゴミ袋に詰め込んでゆく公園美観維持部隊を見るにつけ、
ムラムラと反骨精神やら反体制的な怒りが湧き上がってくる。

私は戦車隊の前に一人立ちはだかる市民のように、その目の前に体を投げ出して大の字に地面に寝転んで
止めろー!こんな可憐なベニタケむしるくらいなら替わりに俺のキノコをむしれー!」と叫びたくなったが、色々な意味でむしる方が嫌だろうし、それに本当にむしられたら私も困る。
あっ!キノコたちの後ろに公園美観維持部隊が!

「逃げてー!キノコ逃げてー!ベニタケ逃げてー!イグチ先生逃げてくださいー!」
いやー綺麗な庭園でしたよー

で、この金沢に来たもうひとつの目的である21世紀美術館である。

ワクワクして行ってみたら絶賛休館中でズコーだった。
美術館、博物館は大抵月曜日が休みやけど、月曜日が祝日だったので次の日の火曜が休刊日ということらしい。せっかく来たのにガッカリだよ!ガッカリだけじゃなくショボーンだよ!
京都から来ただけでこれほどしょんぼりするのに、わざわざ遠いところから来た人はどれだけ残念だろうか。
閉ざされた入場口の前で呆然と立ち尽くす我々、やたらと早口で大声で話し合っている中国人らしき人、床に座り込んでうつろな目で空や壁を見つめるヨーロッパ系らしき旅行者

まさにネットでよく見るこの画像のような感じだった。
そんな21世紀美術館の風景そのものが
「期待そして絶望、やがて放心あるい怒り 2014」とタイトルのついたインスタレーションのようだった。あほー!

が、しかし、展示場は全て閉まっていても、外から見られる無料ゾーンだけは入れるようになっていたのは気が利いてる。ガラガラなので写真撮り放題だ。
いや、写真だけ撮ってもしょうがないけどね…
 
 
 

金沢21世紀美術館がしまっていたのでプリプリしながら石川県立美術館へ移動。

金沢21世紀美術館に比べれば圧倒的に渋いと言うか地味というかそんな感じの美術館であるせいかガラガラで心地よかった。
石川県立美術館といえば17世紀に作られたと言われる国宝「色絵雉香炉」である。

17世紀と言えばヨーロッパ諸国が魔女狩りに勤しみ、トルコ軍がウィーンを包囲していた頃で、フランスの支配階級は宮廷で贅を尽くす一方、日本の大名はこんな香炉で香を炊きつつお茶を楽しんでいたと。
渋い!日本人渋すぎるぞ!
しかし、最初から美術工芸品として作られたクオリティーの高すぎる茶器などは観賞用で実際に道具として使われることなんかほとんどないように、
この「色絵雉香炉」も観賞用の香炉か?と思ったら、実際に使った痕跡があると解説に書いてあった。
国宝レベルのものを(当時は国宝ちゃうけど)実用品として使うとは 恐るべし前田家。恐らくお茶席で特別なお客さんを招いたときにでも使ったのだろう。これでもかと客をもてなす心意気を感じますがなー

この「色絵雉香炉」は重文の「色絵雌雉香炉」と共に展示室一個を使って展示される特別扱いだが、我々のほかに誰もおらず、プライベート展示室状態で国宝を独り占めだ。(正確には二人占めやけど)
色絵雉香炉さん...やっと二人きりになれましたね...」(初めてお会いしますけど)ってことで上から下からあんなところからこんなところまで心ゆくまで鑑賞だ!

この他の常設展は陶器から漆器、指物から茶道具、掛け軸から屏風といった渋すぎる美術工芸品が多く、加賀百万石な文化が心ゆくまで堪能できる美術館であった。
中でも古九谷がずらーっと並んでいる展示室は圧巻で素晴らしい。
しかし一方で金沢美大を擁するお土地柄ということもあり、西洋美術系の展示品も全くの手抜きなしである。金沢美大系のものをメインに中々のクオリティでありましたぞ。

閉まっていた21世紀美術館にはしょんぼりしていた外国人観光客が沢山いたけど、ここ「石川県立美術館」に来てクオリティの高い日本の美術工芸品を堪能すれば、こんな感じになると思うよー

そんな国宝"色絵雉香炉"さんと二人きりになれる「石川県立美術館」は基本年中無休だーすばらしいー急げー
年中無休て21世紀美術館も見習えー

京都に帰ってきてその後、どうしても金沢カレーが食べたくなって、久御山のイオンに行って「チャンピオンカレー」を食べたのだが、
同じイオンの一階に「もりもり寿司」まであってズコーであった。グローバル社会のあほー!

石川県立美術館に勝るとも劣らないガラガラ具合だと予想される「鈴木大拙館」も行きたかったのだが、時間がなく断念。次は行くぞー

 

2014年8月30日

赤目四十八滝でひたすら写真を撮る

先日、お盆休みの終わりに名張の「赤目四十八滝」に行ってきた。
私が住んでいる地域からは大して遠くない上に目的地が特急が止まる駅ではなく、特急で行ったとしても30分も変わらないということでほとんどの時間を「普通」電車に乗っていた。
以前友人が普通列車に乗るが好きだという話を聞いて「なるほどそれは素晴らしい」とずっと思っていたのだが、今回やっとそれを実現することができた。
ガラガラの普通列車の中はなぜかゆっくり時が流れているような気がするな。

「赤目四十八滝」は滝だらけの渓谷に沿った道をひたすら歩くハイキングコースのようなところなのだが、この旅行の前に一眼レフのデジカメを買ったので、ずっとカメラを斜め掛けしながら歩き、写真を撮りまくった。

昔から渓谷やら山を歩くとこは多々あったけど、これだけの滝があるところを歩いたのは初めてだった。

 
自然がいっぱい!

 
 
 
キノコもいっぱい!

 
 
 

そしてもちろん滝もいっぱい!

四十八滝と言うだけあって大量の滝があり、そしてそれぞれの滝にはそれぞれに名前がついている。
たとえば上の段の左から順番に乙女滝、雨降滝、荷担滝、琵琶滝、雛壇滝、千手滝と名付けられており、その滝の看板を見ているとなかなか「言い得て妙だなー」と言う感じになる。

とはいえ、ぱっと見て名前の意味するところがよく判らない滝もたくさんあって、

この「夫婦滝」という看板の先にはこのようになにかよく判らない滝が小さく見えるだけだったりして、
「なるほーど二つに別れているから夫婦滝なんや~」
「ほんまやなるほどー……って節子それ夫婦やないー!二つの流れがひとつになってるから夫婦滝なんや~」といった会話がなされたりするのであった。

前日に一泊した宿が以前食中毒を出したことがあることを知った。
予約時に料理を選択できたので、「山登ってる途中でお腹痛くなったりせんやろなー!?」とデフォルトでは会席料理だったところを「しゃぶしゃぶ」に変えてもらった。
「さすがにしゃぶしゃぶして熱通せばノロだろうがなんだろうが怖くないわーわっはっはー」と思っていたのだが、実際晩御飯時にはしゃぶしゃぶだけでなくお造りなども出てきた。
箸で刺身を摘んでわさびをのせ、醤油に浸した段階で「このカンパチもしゃぶしゃぶすべき?」などと発言し、旅のはじめからネガティブ思考満開であったのだが、そのネガティブ思考がこの「夫婦滝解釈」にも遺憾なく発揮されているのであった。

しかし、このマイナスイオンなるエセ概念が充満した爽やで涼しい渓谷を歩いていて気分が悪くなる人がいるだろうか?
大野更紗氏がその著書である『困ってるひと』で強大で複雑怪奇な社会機構の脅威に対して
「モンスター」は「ハムスター」程度にしたい。
といった名言を発した訳であるが、

通常であれば内側から自らを蝕む強力なモンスターである「ネガティブ」は、この渓谷の自然にあって右手を大きく上に突き出すと同時に「ネガティ~ブ~うける~♪」と黄色い声を出してハムスターのように愛でる程度のものとして捉えられるのであった。

いや~自然て良いですね~ネガティ~ブ!

2014年7月20日

2014初アコウ/巨大マダイに遭遇する/メッサーシュミットトンビに油揚げどころか具までさらわれる

前回6月1日に行ってからずいぶん日が開いたけどまた早朝から海に行って来た。

平日だったので全く誰もいない上に、天気もほとんどずっと曇りだったので、とても涼しく過ごし易かったのだが、前日雨が降ったせいか海はとても濁っていた。

濁った海は視界が限られて魚を発見しづらく魚突きはしにくいけど、その代わり魚自体は活発に動き回っているような気がする。
「うむー濁ってるなーどうすっかなー」と6mの海底の砂浜にポツンとある沈み根につかまって周りを見回していたら、数メートル先から何か巨大な影が近づいて来た。

根に張り付いて様子を見ているとなんかむやみにデカイ。全体の姿が見えると明らかに70cmオーバーのマダイ。額がコブダイのように突き出て頭がやたらと大きく見えるオスだ。
そのマダイはこちらに気付くと数メートル前を横切るように進路を変える。ドキドキしながらヤスを構えて追跡する。明らかに警戒はしているけどダッシュして逃げるほどではないようだ。
下手に刺激しないように少しスピードを上げて距離を縮めようとするも、マダイは一定の距離をキープして全く射程に入れない。
このままでは息が持たないし、追い続ければどんどん深みに連れて行かれる。
マダイの泳ぐ方向にの海底には小さな岩がある、一か八かであの岩を使ってダッシュする事にしてみた。体に沿って下ろしていた左手をゆっくり前に出して、岩の上を通る瞬間にその岩を掴み、掴んだ岩を一気に下に引き下ろす。
岩を支点に腕の力で一気に加速するも、グッと体に加速を感じた次の瞬間マダイはもう海の彼方に消えていた…

残念といえば残念やけど、いやいやエエもん見た。生まれて初めて海の中であんなものと出会った。海はロマンがありますなー

ってことで、そんな巨大魚と遭遇したのはその一回のみ、後は比較的濁りのましな5m以下の沈み根を中心に、念願の今年初のアコウを捕獲した。

 

ってことで、

朝ごはん:
海カレー
 
ご飯の量の割りにカレーが多かったので、最後はスープとしてカレーを飲んだ。名実ともにカレーは飲み物だな!

昼ごはん:
海スパゲティー

半分ちょっと以下を海水にした水で茹でるとともうそれだけで美味しい。ただ同じ濃さの塩水で茹でるのと全くアジが違う。家で育てたバジルまで乗せたった!

晩御飯:
波止場でピクニック!

いつも食べるご飯屋さんが閉まってたので、スーパーで買ったカツオとアジのお造りといなりと巻き寿司を買ってきて、ユーガに機嫌よく夕日を眺めながら皿に載せたいなりと巻き寿司。

いやー夕日が綺麗ですなーと半分ほど食べた時点でお盆にパシッという衝撃が!
気がつけばトンビがいなりを握り締め空の彼方に。皿に載せていたいなりと巻き寿司は皿ごとテトラポットの隙間に!
トンビに油揚げどころか中身の具まで持っていかれた!トンビのあほー!晩ごはん返せー!

いやしかし逆に考えれば、もし私がウサギとかネズミで、狙われたのが皿に乗っていたいなりでなく私自身だとしたらとっくに私はトンビの鉤爪に掴まれて連れて行かれ餌となっていたやろう。もしこれがゼロ戦に乗っているところなら何に攻撃されたのかもわからんまま撃墜されてたに違いない。いやー人間でよかった!いやーゼロ戦乗りじゃなくてよかった!奪われたのがカツオやアジじゃなくていなりと巻き寿司でよかった!
それにしても無音で降下して全く気付かれずにピンポイントでいなりを掴み、そのまま離脱していく様は敵ながら惚れ惚れするなぁ。

とはいえ、私からいなりを奪った後に近くの電柱の天辺に止まってこちらを伺っている、一撃離脱のメッサーシュミットトンビを見てると無性に腹が立ってくるのも事実だ。
いなりと巻き寿司やったからまだよかったものの大好物のカツオを奪われていたらもうヤスもって走って追いかけてたな。電柱に止まったら登ってまで追跡するところやったけど今日はこれくらいにしといたろ!

  

2014年6月9日

初海2014/ナマコと戯れる初夏

先日、今年初の海に行ってきた。
六月になったばかりなのに気温は余裕で35度オーバーし、地上はこのように夏真っ盛り。

しかし海水はやたらと冷たかった。泳いでいるとラッシュガード一枚では水中で震えてきて、なんかもう耳が紫になるレベル。

以前6月半ば過ぎに産卵期のカミナリイカを捕獲したので、あわよくば今回もと大いに期待したのだが、流石に6月1日は早すぎた...
イカも全くいないし、夏恒例のキジハタもおらず、メバルとカサゴしかおらん上に水中はやたらと寒いので集中力が続かない。
とりあえずホバリング中のメバルと岩に乗っていたカサゴを適当に捕獲したものの魚影も薄いし早くも魚突きは諦めモード。
ところが、海水が冷たいせいか、水深5mほどの沈み根の沖側の砂地が見渡す限りのナマコに埋め尽くされていてびっくりした。

うん。こんな感じのイメージだな。

今までナマコを見ることはあっても、もう海のオブジェみたいなものだとみなしていたので、あえて捕獲しようという気にならなかったけど、この日は余りに漁獲が少ないのでとりあえず一番大きそうなものを二つ拾ってみた。

魚突きの人は手に持つのはヤスや銛のみで、水中で岩や藻に引っかからずに動けるように、いざとなればヤスや銛を捨てて両手をフリーにすることが出来るように、さらには貝取りに間違えられないように、獲物を入れる網を持たずに海に入る。
採った魚は網に入れておくのではなく、腰につけたメグシと呼ばれる道具に鰓蓋から口に紐を通して腰にぶら下げておくのだが、構造上このメグシにナマコをぶら下げることが出来ない。
二匹のナマコを拾ったものの、両手にナマコを握り締めたまま魚突きをするわけにもいかず、一瞬躊躇したが「ええ~い」と海パンとラッシュガードの間に突っ込んでおいた。

生まれて始めて感じる「海パンを通して伝わってくる生きたナマコの感触」はえもいわれぬものだ...微妙にもぞもぞ動いているような、いないような...ぐぬぬ...
しかし「そうか、私の下半身にはナマコが収納されているのか。直接的な意味で。」と考えるとだんだん可笑しくなってきた。
腰にメバルとカサゴをぶら下げ、海パンにナマコを突っ込んで収納し、寒さと堪えた笑いでプルプル震えながら泳ぐ私の姿はきっとナマコ以上に不気味な生物に見えたに違いない。

夏目漱石は『吾輩は猫である』の中で

始めて海鼠を食い出せる人は其胆力に於て敬すべく、

と書いていたけど、
初めてナマコを海パンに突っ込んだ私も其胆力に於て自分で自分を誉めてあげたいくらいだぞ。

で捕獲したメバルとカサゴ、そしてマナマコ二匹がこれ。

砂場にいた上の2匹ナマコは比較的青かったけど、下は岩礁地帯で捕獲した別のナマコ。うむ。立派に真っ赤な赤ナマコだ。

このように手のりナマコとしてツンツンしたりよしよししたりしていると、突然体内の海水を吹き出した。
ナマコ汁ブシャー!あー赤ナマコが怒ってるー!!

散々捕獲したナマコをもてあそんだけど、ちゃんと後で美味しくいただこう。

いやしかし、海水で茹でて海で食べるスパゲティーは最高だー

 

2014年4月16日

椿の名前

先日、聞かれた花の名を答えられなくてとても残念だったのでここに書いておこう。

この花の名は「乙女椿」。

まぁ、ここに書いたところで、私に質問した人はここを読まないだろうから答えられたことにはならないけどー

 

確かに私はこの花を知っていたけど、正確な名前を知って他の椿と区別する必要があるほどには興味を持っておらず、私にとってこの花は花びらの多い名も無き椿の1つに過ぎなかったのだ。

しかし、私はこの花の名を知ってしまった以上、この椿は他の椿から区別されることになる。

「花びらの多いピンクの椿」なるシニフィエとして私の中にあったものが、「乙女椿」なるシニフィアンで指し示されていることを知って、「乙女」なる属性が加わったシニフィエとして私に再認識されたことになるわけだ。

確かにそういわれると「乙女」な感じがするけど、見ようによっちゃぁ「玉葱椿」とか「みっちり椿」でもいいわけだから、ここに

みっちり玉葱椿

とか目立つように書いとけば、これを読むまでこの花の名を知らなかった人のその花に対するシニフィエに「乙女」だけでなく「みっちり玉葱」な属性もおまけに埋め込むことが出来るわけだ。へへーざまーみろ。

シニフィアンに含まれているシニフィエがそのシニフィアンの指し示すシニフェの認識を変質させるのだとか...いやいや「シニフィアン」とか「シニフィエ」とか言ってみたかっただけ!

しかし「名付け」がナウシカとかでは祝福であった一方陰陽師では呪いでもあったのが良く分かるどすな~

うん全然関係ないけど ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』思い出した!

過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり

  

2014年4月4日

春の陽気で楽しい仲間がポポポポ~ン♪

皆様お久しぶりです。すっかり春ですね。

春といえば「うつ」の季節ですが私は元気に生き抜いております。皆様お元気でいらっしゃいますか?

そして更に、二年ほど前から私にとって春は大好物のトガリアミガサタケの季節にもなりました。

そういうわけで私はこの季節、雨が降るごとに繰り出してこのキノコを狩りまくっております。

このアミガサタケなるキノコは腐った木とかに生える腐生菌じゃないので栽培できず、春の特定の時期の特定の場所にしか生えないせいか、フランス料理では超高級キノコとして扱われているのです。

去年は雨が少なかったせいかあまり採れなかったけど、今年は雨が多いせいか雨ごとにそこらじゅうで大量発生!大漁やー!こりゃたまらん!

余りにも大量なので「キノコナイフ」では採取が追いつかず「はさみ」を利用するくらいの勢いです。

皆もキノコハンティングするときは、ちゃんと「根」のような「菌核」みたいなのを守るために根こそぎ抜くんじゃなくって、ナイフやはさみで地上部だけをスパッと刈り取るのですぞ。

で、基本的にこのアミガサタケはクリームやらチーズやらのこってり系の煮込みに向いているとされているけど、はっきり言ってそんな面倒くさい料理ばかりしていられないし、そもそもそんなこってり料理ばかり食べいてたら太ってしまう!

なんとかシンプルに食べる方法はないかと色々調べてみたのですが、高級きのことして扱われているせいか、ネットでは妙に手の込んだこってり系料理が多く、あまりあっさりしていたり無茶な料理方法を見かけず全然参考にならない。

あっさりがなければ作ればいいじゃない。という事で、色々な料理に適当にチャレンジしてみました。

料理法としては一度乾燥させてから水でもどして調理することが多いようですが、今回は乾燥するまで我慢できないという事もあり、食べられない分だけは保存用に乾燥させることにして、採ってきたばかりのものを半分に割って虫出しして、水洗いしただけですぐに使いました。

とはいえこのキノコにはロケット燃料でもあるヒドラジンを微量に含むらしいため、生で食べると中毒するので、全て一度ゆでこぼしております。

 

まずは基本的なクリームソース系の煮込み。そしてトマトソース系でも煮込んでみた。

うむ、ふつーにおいしい。

そして次は炒め物系、菜の花と銀杏と鶏ミンチと一緒にオリーブオイルと白ワインでさっぱり炒めたもの

菜の花+銀杏+アミガサタケの春秋の組み合わせはなかなかよろしい。銀杏の下に生える系のトガリもあることであるからして、いろいろな意味で愛称ばっちし。

「鶏ミンチ」は「ちくわ」や「豚バラ」とかいろいろやってみたけど、鶏ミンチがアミガサのアミアミに程よく絡んで一番よいかも。

次は焼肉にゆでこぼしトガリアミガサを投入。バラ肉をかぶせて鉄板で焼き、一体化したものに各種野菜をのせてタレなり醤油で食べる。

バラ肉の脂がトガリに染込んですばらしいハーモニーでした!

そしてなんとなくキムチと和えてみた。

ちょっとグロテスクな見た目と裏腹にこれは中々美味しかった。

このトガリアミガサタケってのは味や触感はキノコというよりなんかモツのようで、このキノコを入れた料理はコイツ自体から出る出汁のせいか、ふつーに炒めただけなのに妙に出汁の効いた味になる。

しかし、採れたてのモリーユを極々シンプルに食べるとは何と贅沢なことだろう。

そういえば、海で採った完璧に血抜きした活け締めキジハタを塩焼きにしたり、蛸肝ガザミスパゲティーを作ったりと、自然と親しむことは都市生活では決して味わえない贅沢を味わうことが出来るのだ。

こんな風に森にひっそりたたずんでいる様を見るとなんとも心が弾むではないか!

 

 

見る限り同じ「トガリアミガサタケ」とされるものの中にもトガり度合いやら色合いやら何やらで明らかに違う種のように見える色々なタイプがある。

尖ったタイプより丸めの方が肉厚で食べ甲斐があるけど、フランスでは尖ったものの方が珍重されるらしいどす。

以前にきのこ道に入門してからと言うもの、嫌でしょうがなかった雨が楽しみになった(雨後はキノコがよく生えるからね)とことを書いた

同様に、昔から私にとってうつの季節であった春だけど、うつ要素がうつ要素のままに、それでもこのアミガサタケのおかげでとても待ち遠しくて楽しい季節になったのであった。

きのこでこの先生きのこることができそうだ!いやーきのこって素晴らしい!

 

春の陽気でトガリアミガサがポポポポ~ン♪

 

いや、春の陽気でポポポポ~ンしてるのはトガリアミガサじゃなくって、むしろ私の頭だな...

 

 

2013年9月28日

琵琶湖でQ/ツユクサは儚くなーい/ツユクサみたいに美しくなりたい

この日は琵琶湖でQをした。

琵琶湖畔の平和堂で肉を買出して焼きまくくる。

ただ焼くだけじゃなくてパンにも挟んでみる。「Qドッグ」だ。

デザートはレアチーズタルト。

日向にいると生命の危険を感じる夏が過ぎ去り、天気もよく風も太陽も心地よくて気持ちい。

 

今日の食卓の花は「ツユクサ(露草)」

万葉集的には「月草」とか「鴨頭草」とか呼ばれ、

  • 朝露に咲きすさびたる月草の日くたつなへに消ぬべく思ほゆ
  • 月草のうつろひやすく思へかもあが思ふ人のことも告げ来ぬ
  • 朝咲き夕べは消ぬる鴨頭草の消ぬべき恋も吾はするかも
  • 百に千に人はいふとも月草の移ろふこころ吾持ためやも

って読まれるように朝咲いた花が昼しぼむことから「儚さの象徴」のように言われる。

でも、そのわりには儚いどころかそのへんのどこにでも生えているタフな雑草だ。

夏ほどではない日差し照るつける中、しぼみながらも枯れない、どこでも生き抜く雑草を愛で、琵琶湖を眺めながら肉を食べるのもまた一興ですな。

ドブネズミみたいに美しくなりたい

的な意味で「ツユクサみたいに美しくなりたい」ぞ!

 

  

 

2013年9月18日

皇大神宮のキノコ/あまりにも原始的な葛藤に引き裂かれる

この日は伊勢神宮の内宮に行ったのだが、最近はどこでもついついキノコを探してしまう。

ということで、荒祭宮付近で見つけた美味しい(と思われる)キノコ。

虫食いはあるけどやたらと立派だったイグチ先生。

ムラサキヤマドリタケか?限りなくポルチーニに近いアレですな。

そしてこれ、最初はキタマゴタケかと思ったけど、恐らく色の薄いチャタマゴタケではないかと思う。

幼菌

立派に開いている。

このタマゴタケ状のキノコは卵状のツボに入ったままのものや、開きかけから開ききったものまで沢山あった。

どちらも美味しいキノコで有名だけど、よもやこの場所のキノコを持って帰って食べようと言う人はいないだろうということで公開する。

 

最近、京都でも色々なところでこのチャタマゴタケを目にする。

卵状態

生まれたての幼菌

このキノコたちは京都のメインストリートに接する神社の奥の公園で見つけたものだけど、どう考えてもチャタマゴタケにしか見えない。

赤いタマゴタケが大変美味とだ言うことで、一度色違いのチャタマゴタケを食べてみたいのだが、猛毒キノコだらけのテングタケ属の仲間を食べてみるのは恐ろしすぎて手が出せない。

もう21世紀にもなるのに、「美味しいらしいけど間違えて食べると死ぬ」などというあまりに原始的な葛藤に引き裂かれて苦悩する私は本当に現代人なのか?

私はとうとうこの葛藤に押しつぶされそうになるとアカタマゴタケ、チャタマゴタケ、キタマゴタケ…と勝手に創作した「タマゴタケ早口言葉」を口ずさむようになってしまった。

アカタマゴタケ、チャタマゴタケ、キタマゴタケ…って、うん、いやもうすでに頭のどこかが菌糸に侵されてるかもしれんね…

 

 

 

2013年9月17日

志摩マリンランド/地味でマンボウでムツゴロウな水族館

台風一過でやたらと天気がいい上に夏が戻ってきたような暑さの中、マンボウがいることでお馴染みの「志摩マリンランド」に行ってきた。

看板からして既にマンボウだ。

入ってすぐのドクターフィッシュは他の水族館のものにくらべて水槽が広く中の魚もやたらとでかかった。

ちょっと指を入れるだけでこのくらい群がってくるので、そのうちに最近流行っているアレ的に裸になって飛び込んで写真を撮り、ツイッターなんかに公開して晒しあげられる御仁が出てくると予想する。

この「志摩マリンランド」のマンボウと並ぶ目玉の一つの2階のドーナツ型大水槽で、そこでは「海女による餌付けショー」なるものが開催されている。

海女さんが素潜りで水槽を回遊している魚に餌を与える様が見れるのだが、巨大なカンパチやロウニンアジやマダイが真っ白な海女さんに群がっているのはなんか妙にシュールだった。

巨大魚に襲われている様にも、宇宙服で船外作業する宇宙飛行士にも見えるなぁ。

で、この水族館のメインのマンボウ。

ベアタンク状態の巨大水槽に5、6匹のマンボウがフワフワしている様を眺めていると妙にトリップするぞー

ごらんのようにもちろん可愛らしかったのだが、それよりも展示スペースの「マンボウの陸揚げ&解体」パネルの写真が容赦なくって面白かった。

死んだ魚の目で横たわるマンボウ

無残に解体されるマンボウ図

「まんぼ~かわい~♪」と喜ぶちびっ子はひとしきり実物のマンボウを愛でた後にこの解体写真に出会い、世の無常と人間が一番残酷な生き物であることを知るわけだが、全体的に水槽の奥行きが狭くて魚がとても見やすく、解の標本展示があったりと昔の水族館と言う感じの雰囲気なうえに、マツカサウオとかネコギギの繁殖に成功!とか地味なところがよろしいな。

そして、来館者は誰も全く見向きしていなかったけど、入り口の手前に再現してある「干潟」がとてもツボにはまった。シオマネキとムツゴロウとトビハゼがいると書いてあったのだが、ムツゴロウは発見できず激しく残念だった。

写真はトビハゼ

直射日光の照りつける中、しゃがみ込んで田んぼの泥のようなものを必死で眺めているおっさんはきっと異様に見えただろうけど、干潟のムツゴロウと聞くだけでこれだけトキがムネめく気持ちは魚好きの人ならきっと分かってもらえるに違いない。

  

 

 

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