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2013年1月8日

自分の死を存在の痕跡ごとの消滅であって欲しいと願うこと

「自分が死んだら、世界から自分がいた痕跡を跡形も無く消して欲しい」というような意味の事を言っていた人がいた。

私は自分の痕跡を世界に刻みたいと常々思っているタイプなので、それを聞いたときに本当にびっくりしたし、なぜそう思うのか全く理解できなかった。

あまりちゃんと喋ったことのない人だったので、なぜそう思うのかを当時に聴く機会もなかったのだが、それでもずっと強烈な印象と一緒にそのことを覚えていた。

そして、先日、不意にその人とゆっくり話す機会ができた。しかし、いざ話すと、会話の途中に何度かそのことを聞こうと頭をよぎったものの、ずっと別の話をしていて結局そのことは聴けずじまいになってしまった。

結局、その人がなぜそう思うのかも今も全く分からない。

でも、一つ思ったことがある。

その人は私から見ても、一般的にも魅力的な部類の人に属するとしか思えないにもかかわらず、不当としか言えない程に低い自己評価しか持っていなかった。

そして、その自己評価の低さが、その人が自らが世界から消えるときはその痕跡も全て消してゆきたい。と望むの事に関係しているのかもしれない。

それは私から見れば未知の領域へ突き抜けた諦念であるだけでなく、とても冷め切った絶望に近いものの様にも見えた。

そう考えれば、相変わらず世界に痕跡を残したいと思っている私は、なんだかんだ言ってもまだまだ世界と自分に希望を抱いているのだなということを思ったのだった。

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Comment & Trackback

こんにちは。

誰かが存在することで世界は変わるのかという話を、以前友達と
したことがあるのですが、その時のことを思い出しました。
ほんのささやかなガラスの傷のようなものかもしれないけれど、
変わるよね・・・と。
誰の記憶にも残らなくても、誰かが存在することで起こった変化は
変えられないものなのじゃないかなぁって思っています。

もう一つ、以前交流があったサイト(もうずっと前に更新が途絶えて
しまったのだけど)のショヒョウを思い出しました。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/6153/3000.html
なんだかある意味逆な感じだなと、自信がないから消えてしまいたい
のか、自信がないから留めてほしいのか。
ちなみに、ショヒョウにはR.D.レインもあります。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/6153/shohyou.html

さらにもう一つ、メイ・サートンの「わたしの愛する孤独」という本も
思い出しました。奥深く・・・にあるので、ちゃんと引用できないの
ですが、何百年もすれば消えてしまうものなのに、自分をさらけ出す
ことに何をためらう必要があるのかというようなことが書いてありました。
そういう言葉は、そういう言葉で力強いものだなぁ・・・と。

その方に、なんというのか、自分はここに確かにいるのだと感じられる
ような、強く喜びを感じられるようなことがいろいろとあるといいですね。

なんだか長くなってしまってすみません。
いろいろと連想してしまいました。

どうもこんばんは。
コメントありがとうございます。

なるほど、自信があるから残したいのじゃなくて、逆に自信が無いからこそ留めたいということもありますね。

全く別の行動でも同じ動機からなされていたり、全く同じ行動でも全く別の動機から起っていたり、人によって、また同じ人でも時間や気分によっていろんなことがありうるのかもしれません。

他人にしろ自分にしろ、一人の人を正確に見ようとすればするほど、厳密に観察すればするほど、より細かいところが明確になってますます複雑に見えるということはありそうです。

それでも、世界と関わるということはやっぱり人間と関わることを抜きには考えることは出来ないのだろうなと思います。

けい。さんの「その方に、なんというのか、自分はここに確かにいるのだと感じられるような、強く喜びを感じられるようなことがいろいろとあるといいですね。」
というような言葉をかけられることもまたその「強く喜びを感じられるようなこと」だと思います。
「その人」と話す機会があれば、そのけい。さんの言葉も含めて色々話せそうな気がします。

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