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2013年1月13日

うたたかの美

「世界にこれより美しいものがあるはずが無い」と断言できる音楽とか絵がいくつかある。

そんなものが複数あるという時点で既に論理的に破綻しているのだがww

でも、それでも、それを聴いたり見ている瞬間はそう思っているし、そもそも「美」が論理を超えているからしょうがない。

「美」とは言葉で言い表せるほんのちょっと先に見え隠れするなにものかの陰ではないだろうか。

しかし、余りにも圧倒的な、例えば自然とか真理などというものは言葉で言い表せるはるか向こうにある。

圧倒的なものの前で、人は平伏すしかないし自らの無力感に打ち震えるしかない。

しかし一方で、だからこそ、圧倒的なものの一側面である「美」に対して人は全てをなげうつのかもしれない。

岡崎京子のバブル期を舞台にしたマンガである『pink』で、1日10キロの肉を食べるワニを飼うために売春するOLの主人公はピンクの薔薇を買って

本当にきれいな色だなぁ
お金でこんなキレイなもんが
買えるんなら
あたしはいくらでも働くんだ
ピンク色って本当に
好き

とつぶやき、

ボリス・ヴィアンはその『うたたかの日々』のまえがきで

二つのことがあるだけだ。それは、きれいな女の子との恋愛だ。それとニューオリンズかデューク・エリントンの音楽だ。その他のものはみんな消えちまえばいい。なぜって、その他のものはみんな醜いからだ。

といっている。

人が美に全てを捧げ、そしてそれがイロニーであるのを見る時、人は「美」が余りにも不完全であるからこそそこに惹かれるのだと気付く。

 

 

 

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