原子炉サウザー/計画停電はどういう意味の計画か?

原発施設の屋外でセシウムが検出されたニュースを聞いて本気でビビり、
福島原発一号機の建屋が吹っ飛ぶ映像を見て、私は本気で「終わりの始まりだー」 と思った。
あの爆発でもうもうと上がる煙が死の灰だと思ったのだ。
後であの爆発はガワが吹っ飛んだだけで格納容器は無事だというニュースを聞いて腰が抜けるほど安堵したのだが、
もう「爆発は美学」などということは絶対に言わないと強く誓ったのであった。
自分で言うのもなんだが、私はなぜか無闇に原子力発電に詳しい。
それがおそらくわれわれの世代の共通の資質だということに、私とほとんど同い年の勝山実氏のブログを読んで気づいた
我々の世代は幼いころに核の傘の下の冷戦を潜り抜け、
チェルノブイリ事故と日本中に巻き起こった反原発運動の嵐を一番多感な時代に経験している。
そして北斗の拳的な核戦争後の終末物語に慣れ親しんできた。
そんな我々の世代は無闇に原発に詳しく、そして無闇に原子力の暴走を怖がる素養があるように思う。
「メルトダウン」「炉心溶融」なる単語は世紀末的な「ハルマゲドン」「世界の終わり」といった単語と同じインパクトと恐怖を持って聞こえるのだ。


とはいいつつ、今まで私は原子力発電を純粋に科学的な好奇心の対象として、
高速増殖炉の設計とか、プルサーマル計画とかの話なんぞを「ほへー」と心躍らせながら聞き、
原子力発電所のPR施設なんかでMOX燃料や炉の模型をワクワクしながら眺めたものである。
しかし、同時に軽水炉のガワが吹っ飛んだだけで世界の終わりのようにビビりあがるだけの素養も持ち合わせているわけでもある。
こんなに怖いのなら!こんなに恐ろしいのなら!原子炉など要らぬ!という感情が沸いてくるのもある意味で自然ではないだろうか。
ということで、調べて見ると、
2008年の段階で、原発の作り出している電力は日本の全電力の24%に過ぎない。
なんとなく七割か八割くらいの電気を原発が作っているイメージがあったのだが、思ったよりも大分少ない。
今まで原子力発電が無くなると日本はまったく電気が使えなくなる的なイメージがあったけど、
日本の原子力発電所がすべて操業停止しても、電力が24%減るだけに過ぎないのだ。
残り24%なら火力なり地熱なり太陽光なり節電で何とかなりそうな気もする。
で、日本で17ある原子力発電施設のうち、今回の災害の影響で発電を停止している施設は、女川、福島第一、福島第二の三つである。
17ある原発施設で24%の電力を作っているわけであるから、
単純計算でこの三つの施設の停止によって減る電力は全体の4.2%である。
日本全国で4.2%節電すればこの三つの施設の不足分がまかなえるわけである。
関東の計画停電がこの三つの施設の停止によるものだという事になっているけど、
4.2%を使わないようにするだけなら、
一昨日位からネット上で呼びかけられている節電プロジェクト「ヤシマ作戦」で十分なような気もするのだが。
関東の計画停電が、「原発がないとこんなに不便ですよ~それでも原発は必要ですよ~」的な東電によるパフォーマンスのように見えて仕方ない私は「建屋がボーン!」にビビり過ぎて疑り深くなっているような気がするのであった。
というか本気で怖いです。

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