走る引きこもり
年末から延々と引きこもって本読むか音楽聴くかで一歩も外に出ていない。しかもその間中ミカンと火鉢で焼いた餅ばかり食べていたので「こりゃ太る」ということで『ねじまき鳥クロニクル』を第三部まで読了した区切りもついたので、夜から自転車で走ってきた。
気づけば京都駅まで行ってて、「そろそろ引き返すかー10キロ走っているしー」などと考えながら駅ビルの下に座ってぼーっとタバコ吸って水飲んで休憩。
周りは着飾った紳士淑女ばかり、たぶん俺すげー虚ろな目。おもっきり不審者やん。地面に座っているし、自転車も前と後ろが無駄にピカピカ点滅してるし…このままでは署まで同行願われて痛くもない腹探られる。そんなカフカ的状況を潔しとしない俺は、これはヤヴァイ。という事で早々に慌てて引き返す。
で、このまま帰るのもなんやので途中でブックオフに寄る。お客のねーちゃんが一心不乱に唐沢寿明の『ふたり』立ち読みしてるのを見て、「邪魔やなー「か行」見られへんやけー買って帰れやー100円やねんからー」と思ったけど、もしかしたらその彼女はその本は読みたいけど、レジに持って行って買い、自分の家の本棚に並べるという行為が恥ずかしいのかもしれない。買うのは恥ずかしいけど読んではみたい。うんうんその気持ちわかるぞーエロ本と一緒やなー。(注)とちょっと同情したので「か行」の本棚はそのレディーに譲ることにしてその他の本棚をあさる。特に目ぼしい本はなかったのでブックオフを後にする。
(注)唐沢寿明『ふたり』を決して馬鹿にしているわけではありません。この作品の文芸的なポジションとして一般的に言っているだけです。私自身も実際に読んだこともありますし、なかなか面白い本でした。
途中でショップ99に寄って兵糧を補充。家についてメーターを見ると20キロちょっと走ったらしい。足と腕もええ具合に軽い筋肉痛になっている。
ひとしきり走って満足した俺はショップ99で買った「おかき」を食べながらこれを書いている。さっき走った分のカロリーはこの「おかき」で相殺されるんやろうな。たぶん…
しかし久々に外に出た筈やのに、本とおやつて引きこもりグッズばかり探してた。隙があればボケようとする奴っておるけど、俺は隙があれば引きこもろうとしているような気がした。