ときめくせんとうふく
以前、こんまり氏の『人生がときめく片づけの魔法』を読んだことを書いた。
この本は、今あるものをどう詰め込んで収納するかという方向性ではなく、とにかくモノ自体を減らしてしまおうという「第二世代片付」ともいうべき方向性の本だったけど、その捨てる基準が自分にとって現時点で「必要」だったり「有益」であるかという「漢語」で表されるようなクールでな基準ではなく、「ときめく」かどうかといった限りなく柔らかい基準を提言している本であった。
「断捨離」が言葉の響きやその姿勢からどことなしに攻撃的で無慈悲な雰囲気が漂っているように感じられるのに対して、『人生がときめく片づけの魔法』は「こんまり」とか「ときめき」など言葉そのものも大和言葉っぽく柔らかいが、本の中身もとてもゆるくて柔らかいのだ。
なかなかに面白く感心して読んだので、私もこんまり氏の言うとおり家の中にある私のもの全てを、ジャンルごとに床にぶちまけて「ときめく」物だけを残してほかのものは全て処分した。
そして、部屋の中から引き出しまで全てが完璧に片付いて、かつ全てのものがどこにあるのかが完全に理解できている状態になったのが去年11月くらいの話、現在も部屋は綺麗な状態がキープされている。
で、この本では部屋着も適当な服を着たり、よそ行きを降格させるのではなく、「ときめく」ものを着るべきであると論じられていた。
この系統の本の読者は殆ど妙齢の女性をターゲットにされていると思われるので例としてふりふりな服とかモコモコな服とかでジャージはダメと言うことになっていたのだが、さてオッサンである私にとってときめく部屋着とは何だろうと考えた。
で、結論として出たのが「BDU(Battle Dress Uniform)」いわゆる軍隊が交戦時に着用する「戦闘服」だ。
もっと判りやすく言うといわゆる兵隊さんが着るような迷彩服ですな。
今までその辺のTシャツとか長Tとか、適当なズボンを部屋着にしていたのだが、仕事から帰ってきてBDUに着替えるとむやみにテンションが上がる。ミリタリー好きの性ですな。
今日はスイス陸軍のアルペン迷彩♫、今日は統一ドイツ軍のカモジャケット♪今日はふつーのUSウッドランド迷彩♪
いや~ときめきますな~しかも動きやすいように作ってあるから着心地も抜群や~
今まで持っていてもあまり着る機会がなく箪笥の肥やしとなっていた戦闘服も大喜びである。
というものの、戦闘服が部屋着にベストかと言うとそうでもないようだ。
宅急便が来ても、ちょっとコンビにまでと言うときも、そのままの格好ではダメであるし、もし、災害などで家から出られなくなり、救助に来た人たちとかに発見された時に「民家に閉じ込められてた米海兵隊が消防団に救助されててワロタww」とか思われる可能性がある。
最初は家でBDUを着てチーズケーキを焼いたり、メダカにエサをやったり、風呂の水を入れ替えたり、掃除機をかけている私を見た家族に「その格好で?ww」と笑われることもも多々あった。
「いや…ある意味毎日が特殊任務やし…」とベタな回答を飲み込みつつ「コレがときめくねん(怒)」と答えつつもちょっと考えた。
どうも「戦闘服」は私以外の人にとってはあまり「ときめき」を感じないらしい。
確かに「BDU」とか「戦闘服」という字面があきませんな、ここは「せんとうふく」とひらがなで書けば和語っぽくなって…いや…そういう問題じゃなくて…
そうだ!エプロンすればええんや。男性諸氏ならご理解いただけると思うが、エプロンというものは下に服を着ていようがいまいが、その下にあるものの「ときめき度」を大幅にアップさせる効果があるはず。
「迷彩服にエプロン!」いかがだろう?
いやいや、やっぱりアカンわ…