棟方志功 幻の肉筆画展/墨書きじょんから節

例のごとく京都伊勢丹美術館「えき」でやっている」「棟方志功 幻の肉筆画展」に行ってきた。

棟方志功といえばあまりにも版画が有名やけど、この展覧会は題材にあるような肉筆画を、紙にかかれたものだけでなく、襖や戸板や扉に直接墨で書いたものも展示している。

この襖や戸板に大きく書かれた墨書きはやたらと大迫力で迫ってくる。

昔からこの人の絵を見ていると、なぜか彼と同じ津軽出身である初代高橋竹山の津軽三味線と同じような、東北的で日本海岸側的な泥臭く激しい情念的な「臭い」がするような気するのだが、襖や戸板に書かれた字を見ているとますますその思いが強くなった。

彼は左目をほとんど失明していて、右目が極度の近眼なので何かを書く時は紙や板にほとんど眼鏡と額が触れんばかりにして書くのだが、この展覧会で放映されていた彼の書を書くほとんど早送りみたいなスピードとなにかに取り付かれたような気迫に衝撃を受けた。

そして、ほとんど目が見えていないのに、目の前に見える「点」や「線」だけに全力を注いでいるとと、いつのまにか全体としてすばらしい構成が出来上がってゆくのにむやみに感動してしまった。

まさに彼の書くものは高橋竹山の「津軽じょんがら節」と同じだ。

そして、「されど心の目はひらいておる!」という台詞も思い出した。

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