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2009年7月15日

共感と集団ヒステリーは本能か

引きこもりの人が書くメンヘラなブログを読んでいて、まったく前触れ無く気分がどよーんと急降下している自分に気づき「気分の伝染」という言葉を思い出した。
「気分の伝染」ってのは、以前に「刷り込み」を発見した動物行動学が専門であるコンラート・ローレンツの『ソロモンの指輪』を読んだ時に知った言葉というか概念で、カラスの群れは強烈に感情を表す一個体の気分が群れ全体に伝染する事により帰巣したり攻撃を行うことで集団としての行動が統一される。って話であった。
当時は「気分の伝染」ってのがあまり科学的な感じではなく結構衝撃的だった記憶があるのだが、確かにわれわれにも気分の伝染だとしか思えない現象はとても多い。多分それは一般的に「共感」と呼ばれるものであるかもしれないけど。
特定の集団内で特定の一人が何かに対して強烈な不満と憤怒でプリプリ文句を言い出すと、その気分が結構簡単に集団内に感染したり、運転中の欠伸が感染したりなどは、「共感」ではソフトすぎるし「集団ヒステリー」と呼ぶとハードすぎるので、「気分の伝染」と言えばしっくりと理解できるような気がする。
「共感」と書くと無条件に肯定的なニュアンス感じるけど、「集団ヒステリー」と書くとそこには否定的なトーンしかない。しかし「共感」も「集団ヒステリー」も動物にもある「気分の伝染」なる本能の働きによるものであると考えると、性欲だとか食欲だとか睡眠欲同様、結局は使い方しだいやんと言う可も無く不可も無い結論に至るのであった…


「気分の伝染力」の強さは、その気分自体の正当性であるよりも、その気分の表現される強さであるとか勢いでしか無いのではないだろうかと思うことがよくある。
どう考えても間違っている意見が、主張の強さによってのみ集団の意見のようになったりすることはとても多い。
世の中というのは正義や主義であるよりも、我や主張の強さで決定されることがかなり多いのは、その「気分の伝染」なる人間の本能の働きだなぁと思うと、やっぱり微妙な気分ではある。
魚にしろ動物にしろ人間にしろ、本能を利用されて捕獲される様というのは、やっぱりどこか物悲しいものである。

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