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2009年10月27日

グレン・グールド 「バッハ:フーガの技法、インヴェンションとシンフォニア 」

久しぶりに音楽のエントリを。
最近やたらとバッハが好きになってひたすら聞きまくっており、私の大好きなグレン・グールドが演奏する「フーガの技法、インヴェンションとシンフォニア」 が気に入っている。
グールドはフーガの技法をオルガンで、そのほかをピアノで演奏しているのが、グールドのオルガン演奏はちょっとレアな気がする。
しかし、バッハが楽器を指定していない「フーガの技法」であえてオルガンで演奏するところがグールドらしくひねくれていて良い。しかも、バッハのオリジナルの譜ではなくツェルニー校訂によるピアノ譜で弾くうえに、このおかしなオルガンの音は単に録音と音質が悪いだけかと思ったら、わざとこういう風に録音しているらしいという、念には念を入れたひねくれ度合いである。
演奏方法もとてもオルガン演奏とは思えないらしいのだがそのあたりは私には良くわからない。
「モーツァルトの悪い部分を直しながら弾いてやっている」と豪語するモーツァルト嫌いのグールドが、彼が好きな音楽の父たるバッハの残した辞世の曲をあまりにもひねくれた趣旨で弾いているのはどういつもりなのだろうか?


グレン・グールドの良いところは、既成の常識をはなから考慮に入れず、様々な部分から構成される感情や感覚の全てを、最終的には知性だけで何とか制御して表現しようとする方向性にある。といってもいいと思う。
もちろんそんなものは幻想だと言い切ってしまうのは簡単であるが、本当に先があるのかわからない細く危うい道を、一人の天才がクールに渡ってゆくところを見るのは心を打つものがある。
全てが理性で制御できて表現できる世界があるならぜひ行ってみたいと思わせる、そんな演奏である。



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