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2011年1月5日

総括的新年の挨拶/平家物語

どんなブログを見てもどんな日記を見ても旧年はどうだった、新年はどうする的な年末年始的で総括的な記事が多い。
私の場合、正直余り良い話になりそうも無いので余り書きたくなかったが、やっぱり書くことにする。
去年、私の中で幾つもの何ものかが決定的に終わってしまったような気がする。
あるものの存在、あるものに対する情熱、そして、あるものに対する希望。
もちろん、去年新たに始まり、得たものも多々あるが、
今まで私の中でもっとも太い柱であった何本かが何かを切欠にして一瞬にして跡形も無く消えてしまった事は大きな出来事である。
あれだけの位置を占めていたものが、こんなにも簡単に消えてしまう事の驚きもある。
それでも、何かの終わりは何かの始まりでもある。と捉える事もできるわけだが。
ずっとブログを書いていて、もう書くのを止めようと思ったことが何度かあったが、このブログも「もういいや」と2010年で更新を止めるつもりであった。
などと書くと、辞める辞めるとすぐに口にする人に限って中々辞めない事を指す「辞める辞めるサギ」と同じような「止めるつもり止めるつもりサギ」ということになるのだろう。
それに同じような事を前にも書いたことがあるような気もするし、一々こんな所に書く必要は無い。
結局こんなことは人に聞いてもらうためではなく、自分自身で確認し、記憶するために言っているのに過ぎないのだ。
しかし、「もういいや」は逆の意味での「もういいや」にもなりうる。
あえて閉鎖する必要もないし、逆に「もういいや」と今年もブログを書き続けることにする。


そういえば、私が毎日楽しみに見ていたナカザワ氏の「36」というサイトが更新終了した事も、私にとってはネット上で起こったことのもっともショックな出来事の一つだった。
インフォシークのWEBスペースレンタルサービスの終了に伴っての閉鎖だったので、もう実サイトはネット上に存在しないのだが、有志?によってミラーが作成されており今も見ることができる。
「31」だった時代から好きだった「36」がまさか終わるとは。
この日記系サイトの面白さは、ある方向での一つの頂点だったと思う。
そして、閉鎖の十日前くらいから、ナカザワ氏は色々な物を紹介しつつ「いつもありがとう。」で日記を〆め始めて、いったいどうしたのだ?と不安になったのだが、それはページ閉鎖の布石だったのだ。
そして、最後の最後で読者に対して「今までありがとうございました。」とページの更新を終了する終わり方は感動的なほどに素晴らしかった。
ネット上でのある一つの頂点であり唯一でもあったものが消えた後の穴を埋めるものなどどこにもない。
その頂点がこう簡単に消え去るとは。
そう何事にも終わりが来るのだ。
そして私がいつかは必ず死ぬように、私が書いているブログも間違いなくいつかは終わるのだ。
いずれ終わるのなら、今終わって何の不都合があろう?と思ったのだが、逆に言えば、今終らせる必要も無いのである。
最近、寝る前に『平家物語』を読んでいる。といっても古本屋で適当に買った現代語訳で文庫一冊になっているもので激しく軟弱な読書である。
『平家物語』と言えば、「祇園精舎の鐘の声…」の無常観の物語であるが、冒頭の深みのある美文に引き換え、本文はひたすら平家の栄華と没落の物語で、その渦中で人々が愛し合い驕りあい殺し合いバタバタと死んでゆく様が淡々と語られ、余りにも面白くないので読んでいるとすぐに眠ってしまう。
物語としては微妙であるが、寝る前に読む本としては良い感じである。
しかし、毎日毎日寝る前にその面白くもなんとも無い人間模様を読むにつけ、「無常感」は「無い」事に視点を置いた空虚感だけを表すのではなく、いずれ無くなるものであるからこそ一時の「在る」事の価値や美しさが増すのだという感覚が身に染みて来たような気がする。
日本人が桜を愛するアレですな。
いずれ無になりいずれ終るからそれに価値が無いのではなく、逆にそうであるからこそ美しく価値があるというわけである。
そして、いずれ終り無に帰すものであるから、あえて今終らせて無に帰すこともないのである。
ということで、今年も「土偶StaticRoute」は続きます。
皆様、本年も土偶と土偶StaticRouteをよろしくお願い申し上げます。

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