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2006年12月10日

図書館、グイン・サーガ111

クッツェーの『恥辱』を読み終わってからその本を返し、リクエストして買ってもらった本を借りるためにに市営の図書館に行くと、思いがけずいつも職場で見る学生が本を読んでいるのを見かける。
友達といるのを見た事が無く、いつも一人で行動し、必要以外に人と接したり話したりせず、控えめで礼儀正しく真面目そうでおとなしく勉強ばかりしている。
害が全く無い故に、おそらく一般的には「変な奴」で済まされるであろう人間ではある。
なんとなく修行僧か世捨て人のような印象を与える彼は、友達と羽目を外したり、ドキドキしながら女の子に迫ったり、といった事からはおおよそ縁遠いように見えるけど、それでも休みの日までこんなところで本を読んでいるのかと思うと何ともいえない気分になる。
彼は一体世界をどう眺めているのだろう?彼は世界の意味をどのように捉えているのだろう?他者を必要とせずに達観した様に見えるその立ち振る舞いからは決して図ることの出来ない欲望だとか感情がその心中で渦巻く事がありえるのだろうか?
というか、どうすれば彼のようになれるのだろう?俺がなりたいのは彼のような人間なのか?と自分でも驚いた。


図書館を出て本屋でグイン・サーガーの111巻を買って帰り一気に読んだ。
記憶を失っていたグインが自分が自分である感覚を取り戻した箇所は変に感動した。彼の記憶が戻りそうになる予兆があり、何とも爽やかな新キャラも登場し、新たな伏線も張られて物語の網の目は更に広がってゆく。
個人としての「栗本薫」は決して全面的に大好きになれそうな人間ではないけど、彼女の書く『グイン・サーガ』は間違いなく本物だと思うし、彼女は天才の語部だと思う。
彼女の書いた『レダ』を人生に残る本としてあげる人がとても多いので読んでみようと思う。

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