欲求はものさし

この日は映画を観ずにグレン・グールドのピアノを聴きながら風呂で本を読む。
独善的なまでに高慢で他人を軽蔑するピアニストと、神のみを愛して余りに自分と世界を軽蔑するキリスト者は全く対極の位置にあるけど、どちらも私にとって惹きつけられるものがあるのは不思議と言えば不思議、でも無いか。
自分に腹を立てたり自分にうんざりしていると、自分に腹を立てない人間を腹立たしく感じたり、自分にうんざりしていない人間にうんざりしてしまう事がある。
でも実際は本当の意味で自分に腹を立てたりうんざりしている場合は少ない。ただ、何かに対して腹を立てたりうんざりしたかっただけに過ぎないのだ。そんな欲求が自分に向いていただけなのだ。と言う場合も多いだろう。
欲求単位で人を見るのと、現象単位で人を見るのとではかなり見え方が違うなぁと思った。

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