菊水若水

夜に城南宮に行く。初詣シーズンにも関わらず誰もいない。
賽銭箱に小銭を投げ込んだ後、右手に二つ、左手に二つ鈴緒を握り鈴をガラガラ鳴らして「(戦車競争の)ベン・ハーの真似」と呟き、映画を観る事でオヤジギャクの幅も広がったと自認した。
何処もかしこも恐ろしい数の人と車で満ち溢れて、人がゴミのよう、ゴミが人のようであった。
助手席で眠りこける嫁と後部座席でぶーたれて暴れる子供たちを遊び場につれてゆくべく運転手を務め、渋滞に巻き込まれ疲れ果てた世のお父さんたちの哀しみが車のガラス越しに伝わってくる。嗚呼、生きるって大変だ。
それだけに静まり返った神社は清清しい。菊水若水を飲み、御神木のようでそうで無さそうな(たぶん)老木をぺしぺし叩いて帰ってきた。

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