攻城戦は漢のロマソ

「攻城戦は漢のロマン」ということで日曜日は城攻めに。
初めて入るあまりにも広大な彦根城、城フェチのツアコンの如何にこの城が要塞として優れているかという構造的な解説を聞くにつれ、これが唯の観光地ではなく第一級の軍事的防衛施設でかつ城塞都市であったということにちょっと驚く。
ここまでして守らねばならないもの、また、ここまでのものを攻めてまで奪わねばならぬものが世の中にある人生を生きるとはいったいどんな気がするのだろう。
まさか城主の井伊直弼もこんな風に(音注意)ネタにされる日が来るとは思っていなかっただろう。
古代の難攻不落の軍事要塞で女の子がキャッキャッ言いながらはしゃぐ声は諸行無常の響きを、石垣に映えるカラフルなスカートの色は盛者必衰の理を表しているのだ。
そして、彦根城の後は「佐和山遊園」に。


不動産業と飲食業で財を成した翁が一人で現在も建造中であるらしいが、新しいものが作られるスピードより、今あるものが朽ちたり崩れてゆくスピードの方が速そうである。
もう道楽と言うよりは何かに取り付かれているようにしか見えない。
ぁゃιぃ域を超越した、生理的なワーニングが頭の中で鳴り響く不気味さを感じるこの庭園、日常的に宗教的な環境にあるお二方が早々に散策を拒否したほどの破壊力。なるほどその気持ちよく判るような気がする。
特に、城へと続く陸橋を渡る時は首の後ろの毛が逆立つような動物的な恐怖を感じた。
これはいつ崩れてもおかしくないという確信以上に、何かしら人間の業や欲望のもつ脆さを感じる橋である。
何から何まで本物の城を見た後にこれはなかなかきついものがある。ハリボテがハリボテでしかないままに崩れ朽ち果ててゆく様はあまりにも悲しい。
そして、そのハリボテに全身全霊をささげているように見える人はそれ以上に悲しい。
とはいっても、寝る時に彦根城で聴いたひこにゃんの歌がずっと頭の中で流れていた。

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