イカ釣れず、海カレーと花電車
以前から一度で良いからイカを釣りたいと思い続けていたのだが、先日海に行った時に海岸からエギを投げて立て続けに数匹のアオリイカを吊り上げている見知らぬオッサンを見て私の中の「ちょっと本気モード」のスイッチが入った。
ということで、イカの餌木釣り専用のエギングロッド、ポリエチレン製のしなやかで細くて強いいわゆるPEライン、さらには水中が見える偏光サングラスまでを買い込んで海に行って来た。
今回は海でカレーを作って食べる&イカを釣るという企画だったのだが、以前巨大なカミナリイカを突いた事のある場所なので、何とか釣れるやろうと思っていたが全く釣れない…
私が必死こいて浜からエギを遠投してオラオラしている間にカレーは完成していた…
中秋の名月の前日ということで、デザートは「うさぎ団子」
いや~おいしすな~幸せすな~ということでたらふく食べた後もひたすら釣り続けるけど全然釣れない。
あ~もう潜って突いた方が早いわ~ということで、ヤスを持って一泳ぎ。
水中に潜ればこんなもんじゃー…でも、やっぱりイカが釣りたいです!安西先生!
ってことで腰まで水に浸かりながら再度イカ釣りにチャレンジ。ひたすら投げ続けるもやっぱりイカんとも釣れない…
ぐぬぬぬ…と思いながら水面を睨んでいると謎の半透明の物体がプカプカ漂っている。なんか始めてみる地球外生命体のような…ちょっと触るのが躊躇われたのでエギで引っ掛けて吊り上げてみた。
大きさは手のひらサイズ。ぐぐぬぬ…なんじゃこいつは??てことで裏返してみる。
なんか口のようなものがあるなぁ…
ってことで海水を入れた食器にプカプカ浮かせてみる。
むぅ、なんかこう上部にエラのようなプロペラのようなものがあるのがお分かりいただけるだろうか?
これを見つけた時はなんかこうウミウシの類だろう。としか分からなかったけど、家に帰ってから調べてみると「ハナデンシャ」というかなり珍しいウミウシらしい。
赤やら青やらのヒラヒラを花電車に見立てて命名されたのですな。なんとまぁ風流な名前じゃろう。なんとキモ可愛い生物じゃろう。
この海はアオウミウシとかそこらじゅうに当たり前のようにいてるし、この間はこれも珍しいというムカデメリベも何匹も見つけている。
もうウミウシパラダイスである。
ってことで、よーく周りを見回してみると、ハナデンシャが何匹も半ば砂に潜っているのが見つかった。さっきの口のような部分をガバッと開いて砂の中にめり込んでいる。
これは凄い光景だ。こいつは砂の中の有機物とか食べてるんじゃないか??
イカは姿形も見えないのにレアなウミウシが沢山いるって…
しかし、考えてみれば、私がエギで始めて釣り上げたのはコウイカでもアオリイカでもなく「ハナデンシャ」だというのはかなりレアじゃないだろうか。
うんきっとそうだ。そういうことにしておこう。
と、アコウの煮つけを食べながらその美味しさに身もだえしながら考えた秋の夜。
くそ~!待ってろよ~イカ~!!