スローなだけにしてくれ

昼前に起床して、ブログを書いたりご飯を食べたり風呂に入ったりしたのちに図書館へ向かう。
上下巻で借りていた『重力の虹』の下巻を返却して上巻の延長手続きをした。
二週間かかって上巻すら通読できないとは何ともいえない屈辱であるが、英語圏でも最大級の小説であり「読めない小説」の代表格とあらばしょうがないと納得しておく。
返却されたばかりの本が置いてあるワゴンにターシャ・テューダーの庭の写真集がおいてあったのでふと読んでみる。
うぉーすげー確かに綺麗な庭ではあるけど…逆にこれはちょっと引いた。
「夢の王国」というレベルでは「ネズミの国」と同じライン上にあるけど、庶民には手が出ないというレベルではアルハンブラだのヴェルサイユだのの宮殿を建設するのと同じであろう。
今時のこの世の中で「自然のままに」とか「自然と一体になって」とかいうのはとてつもない贅沢を表す言葉になっている。
こういった類の本をして癒し系という枠にあてはめてしまう事になるのやろうけど、こういった所に住んでいる本人は、この状態を維持するのに癒される暇が無いほどに忙しいやろうし、こういう本とかをはたから見てあまりに癒されてしまうとか言う人間は現実に帰ってくるのが辛いだけだろう。
彼女は絵本作家であるけど、その本業以外のところで変にブレイクして本人もちょっと当惑しているに違いない。
家に帰って、部屋を音楽で一杯にして『重力の虹』を読む。
前日の夜に、某氏からの「最近何してるの?」に対する質問に対する答えとして説明され、「え~っ”~そんなんあかんよ~」と言わしめたような、癒し系でもなんでもないスローなだけの休日であった。

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