苦行と首里城とネオンカラー

先日またここにブログを書いてゆきたいなと書いた次の日から39度を超える熱が出て二日寝込んだ。
熱がひいたと思ったら手のひらと足の裏に出来ていた湿疹が増殖して痛み始め、その夜には寝れないほどになってきた。
症状と状況からほぼ手足口病だと推定、連休中なのでどの病院にも行けず、ほぼ痛みがなくなった罹患6日後の今日に病院で手足口病と確定。

今までかかってきた病気の中でワースト3に入るのキツさの病状ではなかったかと思う。
熱の辛さも最初は辛かったけど、一番辛かったのはなんと言っても手のひらの痛み。
最初は痒い程度だったけど、痒くなり始めた日の夜には手の上で火が燃えているような痛みになって来て、ずっと保冷剤か氷を入れたジップロックを握り締めていた。

痛くてまともに箸も握れないどころかパンツを下ろすのすらとてつもない激痛がが!

もう状況としてはこんな感じで、手の平がジャギ状態だ!

寝る時でも布団の中から手を出して氷ジップロックを載せていたのだが、結局そんな状態では寝られず、二日目の夜に色々諦めた。
結局痛みから逃れられないのならいっそ真正面からその痛みと向き合ってみようと思い立ったのである。

布団の中に寝転び、布団から出した両手のひらの手の痛みだけにひたすら意識を集中して、この痛みは何に近いだろうか、この痛みは私にとってなんだろうかとか痛みに関するあらゆることに思いを巡らせているとだんだん自分がおかしくなってくるのがよくわかる。
コルコバードのキリスト像のポーズで焼け付く両手の痛みに対して全面的に身を委ねている自分を想像して「アッシジのフランシスコかよ 」と自分に突っ込みつつも、
ひたすら痛みに没頭してその痛みについて考えているといつの間にか「幻視」としか言えないようなものが閉じた目に浮かび上がってくる。
ハレーションを起こすほどに目を射る中国風の神殿の原色の内部装飾とか、風景に溶け出すかのような鮮やかさのネオンカラーの小物の並んだ棚とかが映画の長回しのように見え来た。
見えてきた時は純粋に綺麗でほへーと見とれていたのだが、後々考えると色々アブナかったような気がする。

むやみに痛みに耐えて幻視まで見るとかどう考えても色々おかしいような気もするけど、
それでも考えてみれば、私が幻視のようなものを見たのは、苦行に勤しむインドのサドゥーがシヴァ神を見たり、日本の密教系苦行僧が行の中で観音菩薩を見たりするようなのと同じ原理であるなような気がする。
つまり、現に見たことのあるものではなく、見たいと望むものが見えてくるのだ。

ということで、私が見たいと望んでいるものがこの手足口病によって判明したわけである。
中国風の神殿の原色の内部装飾は多分「首里城」、そしてネオンカラーの小物の並んだ棚とかはなんかこうパステルに染まらず媚びないPOPな風な雑貨屋だ。

そうか、私は沖縄に行って首里城を見て回り、どこぞの雑貨屋でネオンカラーな小物を物色したいと。
うん。思ったよりスイーツなオチになったなぁ。
両手両足と口周りと額が赤くまだらになったオッサンやけど。

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