日記/雑記/妄談 1 12月 2006 ふたりはブリュギア 耳と頬を通り過ぎる風が身を切るように冷たい。街を埋め尽くす白痴のごとき赤と緑のハレーションと、色りどりのLEDの狂気じみた光が目を射る。 「12月24日なんか消えて無くなればいいのに」 土偶はそう一人心地て自転車を漕ぐ足に力を込め、点滅する赤い尾灯の尾を引いて渋滞した車の間を縫うように走る。 いつもならすっと大気に溶けてゆく筈の悪意は、まだ引っかかったようにしがみついている、漕げども漕げども気は晴[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 29 11月 2006 珍曲「地獄篇」 昨日まで4連休だったのだが、折角の連休を全て本読みだけで潰したのは如何なものかと思わなくも無い。 しかし、そういう「いかがななものか?」てな見方で過去を見だすと、この一ヶ月はいかがなものか?この一年はいかがなものか?この数年は?今までの一生は?と際限なく連鎖して変な所に入って浮かび上がれなくなりそうなのでやめておこう。 何ぼ本読んだところで「リートスト」を正当化する理由を探すような読み方は意味が無[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 18 11月 2006 炬燵と火鉢を出して本を読む 炬燵と火鉢を出して部屋に据え付ける。 炬燵に這入り、火鉢で手を炙りながら本を読む。 昨日、遠まわしながらも明確な意図を持った様に聞こえるお誘いを気付かなかったふりをして黙殺した事を思い出し、自責と後悔の念を少し覚える。 一体自分は何故こんなに臆病になってしまったのだ?何をそんなに恐れているのだ?と思うも、そんな想念を振り払って本に没頭する。 市営の図書館と職場の図書館で本を借りて読みまくる、ここ一[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 16 11月 2006 自失 最近は家に帰ると本ばかり読んでいる。 あまりに一日が短く感じられ、久しぶりに一日が24時間であることに不満を覚える。 読みたい本が山ほどあり、それら全てが市の図書館に所蔵されているのはなんと幸せなことか。読みたい本を検索してそれをいつでも借りて読むことが出来るという事実にニヤニヤしてしまう。 今日も引き続きショパンとドラクロワの物語に文字通り没頭する。 ラジオからモーツァルトのレクイエムが流れるに[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 14 11月 2006 鯵・フランス 帰りにいつもの魚屋でお造り用鯵が売っていた。 「これは安い!」と言い切れないほどの微妙な値段だったが、造りにできる鯵が出ているのは珍しいので買って帰ることにする。 片身を刺身、片身をタタキに、残りのアラは味噌汁か煮物に投入予定。 最近はどんな魚でも刺身とタタキを食べ比べるとタタキの方が美味しく感じるので両身ともタタキにすればよいのだが、タタキの串に刺して火で炙るという調理法に比べて、刺身で皮をひく[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 9 11月 2006 市営図書館 ほぼ15年ぶり位に利用した市営の図書館にて、読みたくはあれどもかなか古本屋に見当たらぬ本どもたいそうありて(あたりまえ)妙にテンションなどあがりたる。 フランス文学の棚にミラン・クンデラが見当たらず、変なテンションのまま、わざわざ遠くにいた一番魅力的で雰囲気のよさげなメガネっ娘司書のお姉さんを呼んで聞いたら、フランス語で執筆してフランスで出版したからと言ってフランス文学ではなく、チェコ人なので「そ[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 8 11月 2006 顔面セーフ文化圏 「人と違う自分」などとのたまう場合は、ほぼ例外なく「人より優れた自分」の意味を内包しかつ隠蔽しているのであって、しかるに、たいていの場合それが指している地平は、独自の方向や独自の量で持って築いたものではなく、「人より少しは先んずる」程度の地点でオリジナリティーのかけらすらないやんかこの野郎と他人に対しても自分に対しても思うことが多い。 考えてみれば、純粋な意味での「人と違う自分」なんてものはわざわ[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 6 11月 2006 廿日大根第二世代 土曜日の昼に残った廿日大根をすべて収穫し、その夜に種を蒔いた廿日大根が今日の夜に見るとすでに芽を出していた。 「廿日大根セカンドジェネレーション」もしくは「廿日大根セカンドチルドレン」よ、大きく育つが良い。 現在、土偶入れて会員二名ではあるけど、「廿日大根友の会」発足と言うことで目出度きかな。 今日もお造り用秋刀魚が安かったので買って帰る。 片身を刺身に、片身の皮を引かずに直火で炙って「たたき」に[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 2 11月 2006 力場 なんだか知らんが、自分が正しいと思う方、自分が好きだと思う方、自分がおもろいと思う方、自分がまともだと思う方を信じようと思った。 「万物の尺度は人である。あるものについては,あるということの。あらぬものについては,あらぬということの」と言うわけで、人の尺度も自分の尺度も精度の上で同じなら、自分の感覚の方を信じてやるべきである。 自分が見、自分が聞き、自分が考えたものだけを根拠として、なるべく耳に入[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 1 11月 2006 11月 AとBが同時に真であることが無い場合、Aが正しければBは偽となるし、Aが間違っていればBが真となる。 しかしながらどう考えてもAもBも正しい、又はAもBも間違っているとしか思えない場合の方が多く、人間って難しい。 いつの間にか11月でびっくりした。一年前の事なんか太古の昔のように思える割には時間が流れるのが早く感じたりもする。 この時間感覚の狂いは何かが混乱し、何かが歪んでいる所以だろう。 今更そ[…] 続きを読む