ふたりはブリュギア

耳と頬を通り過ぎる風が身を切るように冷たい。街を埋め尽くす白痴のごとき赤と緑のハレーションと、色りどりのLEDの狂気じみた光が目を射る。
「12月24日なんか消えて無くなればいいのに」
土偶はそう一人心地て自転車を漕ぐ足に力を込め、点滅する赤い尾灯の尾を引いて渋滞した車の間を縫うように走る。
いつもならすっと大気に溶けてゆく筈の悪意は、まだ引っかかったようにしがみついている、漕げども漕げども気は晴れない。
土偶は諦めて12月が来た事を認める。悪意と軽薄と残虐に満ちた12月が来た事を。
っていきなり妙な文で始めたけど、12月ですね。
最近小説読みまくってるせいで、見るもんを何でも小説ぽく置き換えたくなる癖がついて来てということで上の文。
最近読んだ本の中に度々出てくるモチーフに「触るものが全て黄金になるミダース王」てのがあって、どんな話でも下ネタにする奴とか、どんな材料使っても「コレ食べ物?」って味にする女の子とか、どんな話でもオチをつけようとする関西人とかも、どっちかと言うとこのジャンルに入るやんなー等と思いつつ、なんでも小説チックに見える俺もやんけー。
でそのロバの耳のミダース王にもっとも良く関係するギリシャ神話の登場人物といえばやっぱり「デュオニソス」というわけで、こちらも某ーチェさんに関係の深い陶酔的・激情的なるものの象徴なわけで、これも今の私の本の読み方に近い。
で、この二人、ミーダス王とデュオニソス。
何が言いたいのかというと深い意味など全く無く、なぜか思いついたフレーズ
ふたりはブリュギア
を言いたかっただけだったりする…
※ ミダースはブリュギアの王

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