十八番のポンプカップ/イチゴのテーブル/この世で最も意味の無い質問の一つ
先日、フルオープンカフェ(つまり吹きっさらし)の「野点カフェ土偶」に行った時、プロパンガス式のストーブだと余りにも気温が低すぎてガスが気化せずにまともに火がつかないので、コールマンのガソリンストーブを持っていったのだが、いざ使おうと思ったらいくらポンピングしてもスカスカしてまともに空気が圧縮できずに使えなかった。
これはどう見てもポンプのパッキンと言うかゴムと言うか、そんなのが劣化しているだろうと言う事で、今更ながら今日、仕事帰りに街中のアウトドア屋さんに行って交換用の部品があるのかを見てきた。
正確にいうとこのゴムのパッキン状のものは「ポンプカップ」というほんの数ppmだけ卑猥な響きのする名前の部品であるらしい。
アウトドア屋さんの店の中にぶら下がっている大量の「コールマンのポンプカップ」を良く見れば、どれも二桁の数字が刻印されているのだが、どう見ても大きさは同じである。
同じと見せかけて実は違う何かの型番かと思って店員さんに聞いてみても、コールマンのポンプカップは全てが互換性のある同じ部品であるらしく、その二桁の番号は謎の数字らしい。
違いのあるものから一つを選ぶのは簡単だが、全く意味の無い(と思われる)違いのあるものの中から選ぶのは、迷ってしまえば何処までもとても悩むのである。無意味から意味を抽出する不毛な作業は膨大な時間を要するのだ。
そして、大量のポンプカップを見比べながら好きな数字を「う~ん」と選ぶ事10分ほど、おもむろに手を取って買ったのは18番のポンプカップ。
根拠はまったく無し。「おはこのポンプカップ」というとなんとなく「くすっ」程度に笑えるかな?位の動機である。
そういうわけで、新しくなったポンプカップで家の中でガソリンストーブでお湯を沸かしてお茶を飲んでみた。
確実に空気を圧縮する新品のポンプカップ!部屋中に充満するガソリンの匂い!天井を焦がそうかというほどの火柱!地の底から湧きあがるかのような強烈な燃焼音!良い子は真似しちゃいけないゾ!
カップ一杯のお湯など一瞬で100度に到達である。地獄のように沸き立つお湯でお茶を淹れる。
このイチゴのテーブルは新しく導入された「野点カフェ土偶」の調度品である。
それだけでは何なので、笠原嘉の本を二冊並べてみた。
ちなみに私のストーブについていた、くたびれて萎びて擦り切れたポンプカップは「57番」であった。
皆さんのポンプカップは幾つですか?(どんなまとめ方や…)
しかし「皆さんのポンプカップは幾つですか?」ってこの世で最も意味の無い質問の一つやなぁ…