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2010年3月7日

ジャック・チボーという名の友人

 ようやくにして『チボー家の人々』の最終巻、「エピローグⅡ」を読み始めた。
なにしろエピローグだけで二冊もあるくらいの長さである。
全13巻もの膨大な長さの物語ももうこれで終わりであると考えるととても寂しく感じる。
何ヶ月もかかって一つの長い物語を没頭して読んでいると、確かに生活の隅々にまで本が染み通って来る。
高野文子の『黄色い本』の「ジャック・チボーという名の友人」そのままに、ジャックが少年園に入ったころ、私は自分中にあるもので大いに揺れていたし、オスカル・チボーが死んで彼の日記を読んだアントワーヌと共に、私の中にちょっとした決心のようなものが芽生えた。
11巻での主人公のジャックの犬死としかいえない最期にとてつもない衝撃を受けた。11巻引っ張ってきた主人公の最期がこれとはびっくりである。
まだ読み終わったわけではないけど、久しぶりにこれだけ没頭して本を読んだような気がする。
この『チボー家の人々』は、私の中で『カラ兄』『ジャン・クリストフ』『モンテクリスト伯』と並ぶ大好きな長編小説になるのは間違いないだろう。
読み終わってしまうと、自分が根本的に決定的に変わってしまっていることに気付くような予感、自分の中で何かしらの一つの決定的な区切りとして記憶されるような予感を感じる。
最期の一巻が終わってしまうのがとても惜しいので、あえてゆっくり読んでいる。
こういう感覚もとても久しぶりなような気がする。



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