スイーツ焼肉店

昨日、仕事後に街中に焼肉を食べに行った。
私の知っている焼肉屋といえば、もうもうと白煙が立ち込める店内で、汚いオッサンが汚い格好でなにやら怪しげなものを飲みながら大声で喋りながら肉を貪り喰っているといった、タフでハードでヘビーなイメージがあった。というよりも、「焼肉」という食べ物自体にそういうイメージがあった。
しかしこの焼肉店は違う。お客さんがオサレさんなカップルばっかりで激しくスイーツな雰囲気である。照明も暗く、BGMにワルツ・フォー・デビイまで流れていて笑いそうになった。
鴨川と三条あたりの夜景が見える薄暗い店内のカウンターに座って、無難で無個性で主張しないジャズピアノを聴きながら、食べているのが焼肉だと考えるとそこはかとなく可笑しい。
雰囲気はとてもスゥイーツなのだが、何せ焼肉店のせいか周りのカップルはスイーツそっちのけになって必死に貪欲に肉を貪っている。
若くてオサレさんな美男美女のカップルが二人で欲望の命ずるままに必死で肉を頬張って貪り食っている姿と言うのは、ブルック・シールズが出ていた「青い珊瑚礁」のような爽やかでストレートなエロチシズムに満ち溢れている。その姿は神々しくすらあり、見ていると胸が熱くなってくるのであった。
「スイーツな焼肉屋」というと形容矛盾のように思えるが、まさにスイーツ焼肉店であった。


カウンターに座っているせいかどうかわからないが、隣のカップルが店員さんに頼んだ筈の水の入ったジョッキを持ってこられたり、逆の隣の二人組みが頼んだ「熱いお茶」を渡されたりした。
どうせ間違えて持ってくるなら水とかお茶でなく「特上ロース」とか「レバ刺し」でも持って来れば良いのに。と思った。



2件のコメント

  • これはこれはMartyさんお久しぶりであります。
    仰るとおりGです。
    「焼肉食べ放題」な店の作りじゃないのに、そんなのを無視した耳を貸さなさ加減と、肉の貪り加減が面白い感じですね。

  • 御無沙汰しております。
    ここって、三条河原町のGかな?。確かBGMにJAZZがかかっているけど、誰も耳を貸さずに肉を貪っているような気がします。

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