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2006年4月15日

中島義道『働くことがイヤな人のための本』

久々に土日休みと言うことで思う存分引き籠もって本ばかり読んでいる。
にもかかわらず夜に数時間所用で出かけ古本屋で見つけた本。
タイトルだけ見ると絶対読みたくないような本やけど、著者が「中島義道」だと言うこともありちょっと立ち読み。いきなり引き籠もり属性だとか、高等遊民を願う人向きだと言うところで一気に持って行かれた。
ただ一つ最初に誤解を解いておくと、こういうタイトルを持つ本を買ったからと言って俺が今の仕事をイヤだとは思っていないと言うことを強調したい。俺は今の職場では恵まれている方だと思うし十分満足もしている。
何が言いたいのかというとこういうタイトルを持つ本を買ったのは、仕事がイヤなわけでなく、本の趣旨が気に入ったからだと言いたかった。
「土偶さん仕事イヤなんですか?」と聞かれたりしないためにわざわざこういう事を書いている。
かといって、職場が絶対的に良い場所であると言い切っているわけでもない事を付け加えておく。


この本を一言で言うと、自分が人間関係のレベルで社会不適合者であると認識し、逆説的な自己否定と自己憐憫と自己陶酔を抱き、知的な方向で高等遊民でありたいと願った引き籠もりの人間(著者)が、同じような傾向を持つ読者に向けて、主に「仕事」の事に関して語りかけている本。
引き籠もりや無職は何も悪くない。それはそれで思索的な仕事だと言うレベルで価値があるという主張は俺も大いに賛同する。
成功者やとか才能のある人間が声高に、世界の中心で何かを叫ぶ、世の中で、こういった類の弱者とされる人間が同じようなタイプの弱者に向かって語る言葉は珍しい。
今でこそ著者の中島義道はすでに「成功者」の部類に入っていると思うけど、それでも自分が「落伍者」であることを確信していた時期を大事にし、過去の自分のような人間に真摯に語っているのは感動的ですらある。
なんというか本全体に行き渡っている息詰まるような切迫感はなんとも息苦しくもあり心地よくもある。
この本は俺にとってとても大事に思っていることが余りにもふんだんに述べられているので余り内容については語りたくない。
この本を読んで、俺には「幸福」やとか「幸せ」が向いていない事を認めるのに、ようやく踏ん切りがついたような気がする。これで心おきなく俺の道を歩む心づもりになった。
そういうわけで某Yよ。お主にもこの本を心からお奨めする。
すでに読んでたら失礼。

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Comment & Trackback

タイトルとパッケージだけを見ると買うことを警戒しそうな本ですね。私の中では、本棚をみていても手にとろうとはしないが、ついつい目が止まってしまいそうな本です。微妙にきになる本ですし、このレビューを機に読んでみます。
#アマゾンで調べたのですが、新書
#版のものは、パッケージの登場
#人物が強気でした。

古本で買うんじゃなければナニですので、言ってくれればいつでもお貸しします。
暇な時に学校にでも取りに来て下され。

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