映画 23 6月 2022 岡崎京子映画を一通り観た 私は岡崎京子の漫画が大好きで出版されているものは一通り読んでいて、それらの漫画を原作にした映画も一通り見ているので感想を書いておく。 原作が有名なものからマイナーなものまで、 原作に忠実なものから明らかに違う世界になっているものまで、 映画化されたものもいろいろである。といっても4つだけやけど。 これもFilmarksに投稿したものの抜粋で並び順は映画として新しい順。 「ジオラマボーイ・パノラマガ[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 5 3月 2018 ヒトが求めるもの グイン・サーガと物語と利己的な遺伝子 ここ2年くらい前から新刊が出ているのにあまり読む気にならずスルーしていた『グイン・サーガ』なる小説を先日再び読み始めた。 この『グイン・サーガ』なる小説は当時はそんな区分もなかったけど、今で言えばヒロイック・ファンタジーとライトノベルをあわせたようなジャンルになるであろう、1979年に第一巻が出版されてから現在に至るまで142+26巻以上からなる世界でも類を見ない長大なシリーズとして続いている。 […] 続きを読む
本 27 10月 2017 『深い河』の『リバーズ・エッジ』 今年の夏に初めて遠藤周作の『深い河』を読んだ。 大雑把に言えば様々な人生の重みやら苦悩やらなんやらを抱え込んだ主人公たちがそれぞれのテーマを抱いてインドへのツアーに参加し、清濁が混ざり合い混沌としたインドやらガンジスやらヒンズーやらに身を置くことで、人間とか生とか死とか愛とかいったような、いわゆる宗教的、哲学的と呼ばれるようなテーマに向かい合う様を描く物語ということになろうか。 確固とした文芸的ポ[…] 続きを読む
ミュージアム 23 8月 2016 「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」@伊丹市立美術館 岡崎京子とニーチェとバタイユとフェミニズム 伊丹市立美術館で開催されている「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」に行ってきた。 結構マイナーな展覧会らしくあまり情報がなく、この春に世田谷文学館で開催されてから、夏に私の行った伊丹市立美術館と冬に福岡県で開催されるだけであるようである。 この展覧会では岡崎京子がまだ子供時代だった頃に戯れに描いたイラストから、学生時代に掲載された作品に始まり、書籍化されている代表作の原画だけではなく、単行本化さ[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 25 4月 2016 あれから10年も、この先10年も 半年間このブログを放置していたけど、それでもずっとこのブログのことはそれなりに気にかけてはいた。 しかし気がつけばこのブログを書き始めて10年も経っていて、いったいこの10年間は何だったのだろうかとw もうずっとブログを書くにも書こうと思う事がそれほどなかった。と思いつつも、ほぼ毎日更新していたころは何について書くかを決めてから書き始めていたのではなく、とにかく何でもいいから書き始めているうちに何[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 10 10月 2015 猫パンチが暴力に見えないように、雑草は遷移する。 今年もノーベル残念賞だった村上春樹の初期の作品を先日から読んでおり、今は『羊をめぐる冒険』の終盤に差し掛かったところ。 SISBN-10: 4062749122 村上春樹はこの『羊をめぐる冒険』の続編である『ダンス・ダンス・ダンス』あたりから失ったものやら隠されているものやらを「取り戻す物語」にシフトしてゆくような印象を私は持っており、彼がノーベル文学賞候補になるほどに評価されているのも、どちらか[…] 続きを読む
本 7 10月 2015 ポール・オースター『最後の物たちの国で』/絶望のひとつの形 かなり昔に読んで圧倒的に強烈な印象を受けて何度も読み返そうと思っていたにも拘らず、あまりにも絶望的な内容を読むのが辛くて気が乗らず、一回しか読み直していないポール・オースター『最後の物たちの国で』を久しぶりに読み返してみた。 内容は中上流階級の主人公アンナが、記者の兄が取材のために入って消息を立った国に単身乗り込むが、あらゆる秩序と未来が消えたその町で兄を探すことも帰ることも出来なくなり、野宿やら[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 6 10月 2015 ベートヴェンの「嘆きの歌」はチープであることに意味がある。 先日手足口病になってとても苦しかったと言う話を書いたけど、やっと回復して普通の状態に戻ったなと思ったら気管支炎になった。 寝転ぶと痰が詰まって息が出来ないので寝ることが出来ず、辛いのに寝ることが出来ないというかなりきつい状況。 そして少しでも動くと呼吸量が増えて息苦しくてたまらないので、座ってゆっくり息をしている以外に何も出来なかった。 もう殆ど強いられた座禅みたいなものである。 二日目になってち[…] 続きを読む
本 25 10月 2014 中田考 イスラーム書籍2冊/真の意味でのイスラーム原理主義者の声を聞け 以前からイスラーム学の第一人者として有名だったけど、最近イスラム国に渡ろうとした日本人学生の仲介役として一気に有名になった感のある中田考氏のイスラーム関係書籍を2冊読んだ。 『イスラームのロジック―アッラーフから原理主義まで 』(講談社選書メチエ) 『一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教』 (集英社新書)である。 SISBN-10: 4062582295 SASIN: B00NPK89Z[…] 続きを読む
本 29 8月 2014 R.D.レイン『子どもとの会話』と西原理恵子『毎日かあさん』 偶然古本屋で見つけたR.D.レインの『子どもとの会話』を読んだ。 今まで、精神科医であるR.D.レインの著作は『引き裂かれた自己』と『好き?好き?大好き?』しか読んだことがなかったのだが、 『引き裂かれた自己』は当時「分裂病」とされていた人を「異常」としてその異常の部分を見ようとするのではなく、分裂している状態でしか成り立ち得ない脆くて不安定な自己に寄り添うように理解しようとする試みであった。 彼[…] 続きを読む