パウロ・コエーリョ『アルケミスト』

パウロ・コエーリョ『アルケミスト』を読んだ。
作者のパウロ・コエーリョって人の本は、以前『ベロニカは死ぬことにした』以来、この本で二冊目に読んだ本となる。
解説を読むまで全く知らなかったけど、この本はかなり有名で売れた本で、本国ブラジルを初め、各地でベストセラーになったらしい。
この本によってパウロ・コエーリョは日本に紹介された事になったそうで、こちらの方が『ベロニカは死ぬことにした』よりも古い事になる。
内容は『星の王子様』とか『かもめのジョナサン』と同じ系統で「大人向け童話」と言った扱いのようで、一般的にどう思われているのかはアマゾンの評を見ればわかりやすいかと。
アマゾンではほぼ全員絶賛している。こういう本も珍しい。


amazon ASIN-4885031184『星の王子様』と『かもめのジョナサン』的な系統にある本という事やけど、『星の王子様』はともかくとして『かもめのジョナサン』はそんなに好きな本でもない。
『かもめのジョナサン』にある種の胡散臭さを感じる人なら、この『アルケミスト』にも同じような胡散臭さを感じるかもしれない。
それでも、その胡散臭さは扱っているテーマがそうなのであって、全体がそうなのではない。
ある種の事を本当に真面目に語ろうとすると、どこかしら胡散臭く見えてしまうのはある程度避けられないのかもしれない。
一つの事をちゃんと真面目に素直に考えている本であるけど、ただ、この本を全肯定してしまうと、逆に何らかの物の見方が一方向に固定される傾向になってしまうような気がする。
その一方向に関しては文句のつけようもないし、人間にそんなに沢山の方向が試せるとも思っているわけでもないんやけど…
とは言っても、全体としては中々面白い本であった。感動する所もあったし、将来的に「古典」になると目されるところもあるので、読んでおいても悪くない。
どちらかというと読んでおいた方が良い本のような気がする。
若い時に読まず、この年になって読んだのが逆に良かったのかもしれない。

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