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2006年12月7日

二重括弧のある世界

レーモン・ルーセル『ロクス・ソルス』を読んでいるのだが、ラテン語を解さない私は初めて見た時にどっちがタイトルでどっちが作者の名前かわかりにくいな、ふーん。と思ったのだが、よく考えれば、考えるまでも無く、直前に読んでいた、どっちも人名なJ・M・クッツェー『マイケル・K』の方が余計に著者と書名の区別がつかんやんかと。
もし私が『埴輪』や『木偶』と言う本を書いたら、土偶『埴輪』、土偶『木偶』となってややこしい事この上ない。
我々が二重括弧が無ければ書名と人名の区別すらつかない世界に住んでいる側面を持つのは当然と言えば当然。
例えば「私は落ち込んでいる」と「落ち込んでいるのは私」では文自体の意味が微妙に違うし、またそれをどういう文脈やら状況で使うのかによっても意味は全く異なってくる。
言葉を記号として使う世界では…とかは言わないけど、言葉自体の意味よりもその言葉が関係性のレベルで持ちうる意味の方が範囲と影響力が広く大きいわけで…
とか言うと話がややこしくなるので止めておいて、
とにかく言葉というもんに頼ったり信用しすぎるとロクな事にならんと思いながらも、言葉で表されなければ無にも等しいと言う側面もまた真実なわけで、結局はある意味での信仰の問題みたいなもんになるような気がする。

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