死を思う人を想う

ジャンケレヴィッチの『イロニーの精神』を読んでとても面白かったので、彼の他の著作も読んでみたくなった。

読んだ『イロニーの精神』が彼のキャリアの初期にあたる作品だということなので、後期の著作で彼の主著とも言われている『死』でも読んでみるべかということで、母校の図書館を探す。

本自体はフランス哲学の分類ではなく、テーマ別分類の「死」についてのコーナーで見つけたのだが、背が破れ表紙や角がボロボロになっていた。

なんか汚くって微妙やなーと思いつつ、手にとってパラパラ読んでみると無闇に分厚い本にも関わらず完璧な開き癖がついていて手を離しても開いたままで閉じることなくとても読みやすい。そう、このボロボロさ加減はただ粗末に扱われたりただ古いからではなく、多くの人に繰り返し繰り返し読まれたからなのだ。

今まで多くの先輩達がこの死について書かれたこの本を読み、死について思いを馳せ、死について深く考えたのだと思うと、静かな図書館の片隅で変に胸が熱くなったのだった。

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