ノーム・チョムスキー『9.11 アメリカに報復する資格はない!』

ボストンマラソンでテロがあったのを見て、以前から気になっていた、生成文法でおなじみのノーム・チョムスキーのインタビュー集を今更ながらに読んだ。

『9.11 アメリカに報復する資格はない!』と挑発的なタイトルのこの本は、「テロリスト国家アメリカ」を前提とした9.11に関するインタビュー集であり、書かれている内容は一般的に流布しているアメリカの正義とイスラム原理主義のテロリズムの構図を根底からひっくり返す、むしろアメリカこそがテロリズム国家だという趣旨の結構衝撃的なものである。

彼の立場は反新自由主義と反グローバリズムのアナーキズムということになると思う。つまりは反アメリカ主義の立場の彼が反アメリカの意見になるのは当然であるのを差し引くとしても、少なくともアメリカ以外の立場から見ればアメリカはどう見えるかというところの一例であることは間違いない。

ノーム・チョムスキーは私が昔とても仲の良かった友人が研究していて、私はひたすら彼がどれだけ凄く、彼の言語学がどれだけ革新的であるかを聞かされていた。

私の中で彼はとても難解なことばかり話すというイメージがあったせいか、彼のシンプルで直接的で感情を内に秘めたような言葉はなんだかとても親しい人が語りかけてくるように不思議な説得力を持って響いて来た。

そういえば、チョムスキーを研究していたその友人もこの本を読んだのだろうか?そして元気にしているのだろうか?

薄い本で直ぐに読めるので少しでも興味を持たれた方は読んでみてはいかがですかな?

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